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 旅紀行日本の裸祭り

2014年7月11日改訂

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♪篠 笛
旅と写真は元気の泉

感動の裸祭CD完成!

 

褌のロール一反 寒詣  北舟

 

拡大写真(2000X1750)472KB

A ten-meter-long role of loincloth, Midwinter pilgrims.

2012年2月18日制作

参加者同士が助け合って褌の準備
 

参加者同士が助け合って褌の準備/五大堂公民館(岩手県花巻市)

西大寺・寺紋   貴峰山光勝寺  

五大尊蘇民祭

白晒褌

 

撮影・制作 和田義男

五大尊蘇民祭

岩手県花巻市石鳥谷町 貴峰山光勝寺 2012年1月28-29日(旧正月6-7日) 花巻市無形民俗文化財


 光勝寺の五大尊蘇民祭は、800年以上の歴史を誇る伝統の裸祭で1年間の無病息災を祈って護摩を焚きコマと呼ばれる365枚の木札が入った麻製の蘇民袋を奪い合い、御守札とする美しくも勇壮な冬祭です。参加者が一糸まとわぬ裸形で禊を行うシーンも公開されており、日本独自の裸文化が脈々と継承されていることに感動します。

 
スライドショーCD写真集「五大尊蘇民祭」

スライドショーCD写真集「五大尊蘇民祭」
▲  スライドショーCD写真集「五大尊蘇民祭」は、274枚、上映時間24分。(1枚2000円 リピーター価格:1枚1500円) 五大尊蘇民祭 日本の祭りCD・DVD写真集  
  
YouTube 五大尊蘇民祭
(抜粋縮小版)
↓画像をクリックするとスライドショー動画が始まります。
 

はじめに

 
平成24年(2012)1月28日(土)・29日(日)の両日岩手県花巻市(はなまきし)石鳥谷町(いしどりやちょう)の貴峰山(きほうざん)光勝寺(こうしょうじ)(佐藤宥弘さとう ゆうこう住職 TEL0198-47-2230)で五大尊蘇民祭(ごだいそん そみんさい)が開催されたので五大尊蘇民祭振興会(高橋勝哉たかはし かつや会長)の全面支援により、密着取材を行った。  

 

【凡例】  ▲:上の画像の説明文  ▼:下の画像の説明文  〈画像の左クリック〉:別窓に拡大写真を表示

岩手県

花巻市はなまきし

の位置

岩手県花巻市の位置

Google Earth
岩手県

花巻市はなまきし

 
▲ 人口約10万を擁する花巻市は、岩手県の中西部に位置し、盛岡市、一関市、奥州市に次ぐ大きさで、市の西部に花巻温泉郷を擁し、宮沢賢治生誕の地として知られる。市内には、岩手県唯一の花巻空港を有すると共に東北新幹線新花巻駅、東北自動車道、東北横断自動車道などの高速交通網が整備されている。  
   気候は寒冷で、北上川の川谷沿いにあり、冬季は放射冷却が効きやすく零下20度近くまで下がることもあるという。 2月29日(日)蘇民祭当日は快晴で、早朝は-15℃まで下がった。  

五大尊蘇民祭ごだいそんそみんさい

の会場

五大尊蘇民祭会場

Google Earth
貴峰山光勝寺きほうざんこうしょうじ

五大堂ごだいどう

公民館
 
▲▼ 五大尊蘇民祭が行われる貴峰山(きほうざん)光勝寺(こうしょうじ)は、真言宗(しんごんしゅう)豊山派(ぶざんは)の仏教寺院で、東北新幹線新花巻駅の北北東約3kmの花巻市石鳥谷町(いしどりやちょう)五大堂に位置する。  
 前夜祭の「「裸参り」」の出発地は、国道456号に面する五大堂公民館で、水垢離のあと褌一丁の裸形となった男たちは、行灯(あんどん)と松明(たいまつ)の光をたよりに、光勝寺五大堂までの約1kmの夜道を巡礼する。  
貴峰山光勝寺きほうざんこうしょうじ

五大堂ごだいどう

公民館の位置

「裸参り」のルート(国道456号〜県道224号〜参道〜五大堂まで約1kmの行程)

Google Earth

光勝寺こうしょうじ

の入口 2012.1.26 14:27

↓決勝点の一ノ鳥居

光勝寺の入口 2012.1.26 14:27

拡大写真(2000X1330)604KB 撮影:及川寿郎
貴峰山きほうざん

光勝寺こうしょうじ

 
▲▼ 貴峰山(きほうざん)光勝寺(こうしょうじ)の寺伝によれば、承和10年(843)慈覚大師(じかくだいし)が東北地方を巡った際に、当地に立ち寄り、21日間の修法(しゅほう)を行った。  
   その後、自ら釈迦如来、薬師如来の尊像と五大尊(不動明王ふどう・みょうおう・降三世こうさんぜ明王・大威徳だいいとく明王・軍茶利ぐんだり明王・金剛夜叉こんごうやしゃ明王)を彫刻し、大堂を建立して祀ったのが仏跡地としての始まりで、「五大院里の房」と称した。  

光勝寺こうしょうじ

残雪の参道

光勝寺残雪の参道

撮影:及川寿郎
  ▲▼ 文治5年(1189)7月、南部(なんぶ)家の祖・三郎光行 (さぶろうみつゆき)公が特に五大尊を信仰し、その霊験によって駿馬(しゅんめ)を感得しその馬によって功を上げ源頼朝から九戸(くのへ)・閉伊(へい)・鹿角(かづの)・津軽(つがる)・糠部(ぬかべ)の5群を賜った。  

光勝寺こうしょうじ

本堂

光勝寺本堂

拡大写真(2000X1330)603KB 撮影:及川寿郎
  ▲▼ 翌建久元年(1200)本領の甲斐国から糠部に向かう途中「五大院里の坊」に立ち寄って五大尊に戦勝御礼の参拝をした。そのとき、光行公がこれまでの寺号を廃し、「光行が戦に勝つ」という意味の「貴峰山光勝寺」に改めた。  
   また、光勝寺が牛馬守護に霊験があるとされるのは、南部光行公の駿馬が死んだときに、礼を厚くして当寺に葬り、その木造を刻んで安置したことに始まる。蘇民袋の中に納められているコマに「駆け馬」が印字されているのは、その御利益(ごりやく)を授けるためである。  

光勝寺こうしょうじ

石段の参道

光勝寺石段の参道

撮影:及川寿郎
  ▲▼ 五大尊を祀る光勝寺は、かつては天台宗の寺院であったが、江戸末期から明治期の頃、真言宗豊山派(ぶざんは)に改宗している。総本山は、大和国(やまとのくに)長谷寺(はせでら)で、光勝寺はその末寺(まつじ)である。  
山頂の 五大尊ごだいそん を祀る

五大堂ごだいどう

山頂の五大尊を祀る五大堂

拡大写真(2000X1330)820KB 撮影:及川寿郎
←JR東京駅22番線ホーム 2012.01.28 12:25

←JR東京駅22番線ホーム 2012.01.28 12:25

12:40に発車する東北新幹線「やまびこ61号」

12:40に発車する東北新幹線「やまびこ61号」

▲▼ 平成24年(2012)1月28日(土)、東京駅22番線ホーム12:40発東北新幹線やまびこ61号に乗車。約3時間で雪の田園に囲まれたJR新花巻駅に着いた。  
JR新花巻駅に到着した「やまびこ61号」 15:40

JR新花巻駅に到着した「やまびこ61号」 15:40

昨年胡四王(こしおう)神社蘇民祭の取材でお世話になった菊池寛一さんから私が撮影した写真が看板に採用されていると聞いていたので、新花巻駅二階のホームの窓から西口方面を望むと、正面の駐車場の前に巨大な蘇民祭の看板が見えた。  
ホームから見える新花巻駅西口前の巨大な

蘇民祭そみんさい

の看板

ホームから見える新花巻駅西口前の巨大な蘇民祭の看板

拡大写真(2400X1800)775KB

▼ 新花巻駅を出て、看板の近くで撮影したのが下の写真。写真の下部に花巻市三大蘇民祭である「胡四王神社蘇民祭」「五大尊蘇民祭」「早池峰神社蘇民祭」の開催日が記されており右下にクレジットとして「PHOTO:胡四王神社蘇民祭(撮影和田義男)」と表示されていたので、大変光栄に思った。  
右下にクレジット「PHOTO:胡四王神社蘇民祭(撮影和田義男)」が表示された看板

右下にクレジット「PHOTO:胡四王神社蘇民祭(撮影和田義男)」が表示された看板

拡大写真(2400X1300)589KB

東京駅から北方500kmに位置する新花巻駅(しんはなまきえき)花巻市矢沢に設置されたJR東日本の駅で東北新幹線と在来線の釜石線との交差地点に設けられており、両線の接続駅となっている。  
 東北新幹線の大宮〜盛岡間は、昭和57年(1982)に開通したが、停車駅の選に漏れた花巻市が水沢江刺駅とともに全額地元負担の請願駅という形で3年後の昭和60年(1985)に完成したそのためホームは2面2線となっており、開業当初から設置された駅のような通過線を持たない。  
JR新花巻駅西口 15:46

JR新花巻駅西口 15:46

拡大写真(2000X1250)389KB

  ▼ 新花巻駅西口広場には、宮沢賢治の「セロ弾きのゴーシュ」のモニュメントが建っている。右サイドには、次の解説文が刻まれていた。  
 

 
   このモニュメントは、宮沢賢治の童話「セロ弾きのゴーシュ」を題材として制作したものです。宮沢賢治は花巻に生まれ、その短い生涯の中で、科学者、仏教徒、教師、農民の指導者として、世につくしました。また詩や童話をたくさんつくりました。  
   「セロ弾きのゴーシュ」は宮沢賢治の童話の中で動物と人間がかかわり合うすぐれた作品で主人公の音楽家「ゴーシュ」がねこかっこう、たぬきの子野ねずみの親子とのふれ合いの中から人間としてすばらしい発見と成長していくすがたをえがいたものです。  
   このモニュメントを御覧になられた方々が、健治の作品の素材となった豊かな自然と暖い人々の営みのある花巻を感じていただければ幸です。 昭和60年3月14日 花巻市  
宮沢賢治作「セロ弾きのゴーシュ」のモニュメント / JR新花巻駅西口広場 15:48

宮沢賢治作「セロ弾きのゴーシュ」のモニュメント / JR新花巻駅西口広場 15:48

拡大写真(2000X1400)737KB

▼ この日の宿は、昨年、胡四王(こしおう)神社蘇民祭の取材でお世話になった新花巻駅西方徒歩5分のペンション「ケンジの宿」なので、土地勘があり、迷わずにチェックインすることができた。  
去年もお世話になったケンジの宿 / 花巻市

胡四王こしおう

去年もお世話になったケンジの宿 / 花巻市胡四王

 岩手県奥州市の黒石寺蘇民祭は全国的に知られるがその他にも岩手県には素晴らしい蘇民祭があるその中で、花巻市の胡四王神社蘇民祭が平成23年(2011)1月2日に開催されることを知り、胡四王神社蘇民祭保存会にメールを送り、密着取材を申し込んだところ、菊池寛一さんから返信があり、快諾して頂いた。当日は、「ケンジの宿」まで迎えに来て頂き、終始アテンドして頂いたお陰で、胡四王蘇民祭 が生まれた。
 今年は、1月28・29日に開催される花巻市・光勝寺の五大尊蘇民祭を取材することにしたため菊池さんに胡四王蘇民祭の取材をお願いしたところ、快諾して頂き、 菊池さんの処女作 胡四王蘇民祭'12 が生まれた。
 このたびの五大尊蘇民祭の取材についても菊池さんに仲介の労を賜り、当日は「ケンジの宿」から祭会場までマイカーで送迎して頂いた。片道3kmほどあり、タクシーで二往復すれば、宿代よりも高くなってしまうので、とても助かった。
お世話になった胡四王神社蘇民祭保存会の菊池寛一さんと 2011.01.02

お世話になった胡四王神社蘇民祭保存会の菊池寛一さんと 2011.01.02

拡大写真(1600X1300)381KB

光勝寺こうしょうじ

五大尊ごだいそん 蘇民祭そみんさい
 
 光勝寺の五大尊蘇民祭は、800年以上の歴史を誇る伝統の裸祭で、1年間の無病息災を祈って護摩を焚き、コマと呼ばれる365枚の木札が入った麻製の蘇民袋を奪い合い、御守札とする勇壮な冬祭である。  
 花巻市無形民俗文化財の指定を受けたこの蘇民祭は旧正月6日(2012年1月28日)午後7時から前夜祭があり「裸参り」と星祭(ほしまつり)(護摩法要)が行われる翌日の旧正月7日(2012年1月29日)は午前9時半から12時半頃まで、御神火祭(ごじんかさい)(護摩法要)と蘇民袋争奪戦を中心とした蘇民祭が行われる。  
   「裸参り」と蘇民袋争奪戦は石鳥谷(いしどりや)地区の全戸が会員となっている五大尊蘇民祭振興会が主催し星祭や御神火祭の護摩法要は、光勝寺の信徒で構成される五大尊護摩講本部が運営する。  

五大堂ごだいどう

公民館 / 花巻市 石鳥谷町いしどりやちょう 五大堂 2012.01.28 18:04

五大堂公民館 / 花巻市石鳥谷町五大堂 2012.01.28 18:04

拡大写真(2000X1350)270KB

▲▼ 五大尊蘇民祭の前夜祭が開かれた1月28日(土)は、午後6時に花巻市石鳥谷町(いしどりやちょう)五大堂にある五大堂公民館で五大尊蘇民祭振興会の「裸参り」担当役員・小原(おばら)和也さんと合流。以後、振興会の全面支援により、密着取材をすることができた。  

五大堂ごだいどう

公民館の玄関

五大堂公民館の玄関

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▲▼ 五大堂公民館の右側に紅白幕が張られていたので、中を覗いてみると、水道水を使った屋外の禊場(みそぎば)となっていた。このときの外気温は-5℃で、公民館の前庭は雪で覆われ、ドラム缶を半分に切った薪(まき)ストーブがひとつあるだけだった。  
紅白幕が張られた屋外の禊場 18:07

紅白幕が張られた屋外の禊場 18:07

拡大写真(2400X1650)612KB

五大堂公民館の内部は大広間となっており、「裸参り」参加者たちの支度ができるようビニール茣蓙(ござ)が敷き詰められていた。床の間の前に座卓があり、小原さんら役員が参加者の申し込みを受理していた。  
五大堂公民館の内部 18:17

五大堂公民館の内部 18:17

拡大写真(2000X1500)506KB

「裸参り」の申し込みは、事前予約制で、1週間前に締め切られる。今年の参加者は23人。当日、2000円を支払って、正式申し込みとなる。白晒褌(しろさらしふんどし)だけは自前で用意するが、それ以外は、全て振興会から支給される。  
「裸参り」の申込み(2,000円)を受付ける 小原和也おばらかずや さん / 五大堂公民館

「裸参り」の申込み(2,000円)を受付ける小原和也さん / 五大堂公民館

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「裸参り」参加者に交付される御守・鉢巻(手拭)・

噛符かみふ

「裸参り」参加者に交付される御守・鉢巻(手拭)・噛符

拡大写真(1800X1220)263KB

▲▼ 受付で渡されるのが、写真上の御守・鉢巻(手拭)・噛符(かみふ)の3点。鉢巻を広げたものが写真下で、光勝寺五大尊の厄除(やくよけ)開運鉢巻(手拭)である。  
光勝寺五大尊の 厄除やくよけ ・開運鉢巻(手拭)

光勝寺五大尊の厄除・開運鉢巻(手拭)

拡大写真(2000X820)199KB

五大堂公民館の板間の舞台には事前申込者23名の行灯(あんどん)と褌の上に締める注連縄(しめなわ)が用意されていた。行灯は、黒石寺蘇民祭では角灯(かくとう)と呼ばれるものである。飛び入りで申し込みできないのは、行灯や注連縄が準備できずまた事前に申込者の名簿が佐藤住職により加持祈祷されるので御利益(ごりやく)を受けられないためである。  
事前申込者23名の   行灯あんどん   ふんどし の上に締める 注連縄しめなわ

事前申込者23名の角燈と褌の上に締める注連縄

拡大写真(2400X1550)450KB

公民館の舞台中央には五大尊を祀る神棚が設けられており神仏習合の伝統文化が今に受け継がれている。  
舞台中央の五大尊を祀る神棚

舞台中央の五大尊を祀る神棚

拡大写真(2000X1480)401KB

▼ 「裸参り」参加者たちは、お互いに助け合いながら、持参した白晒木綿1反(10m)を半分に折り、白晒褌(しろさらしふんどし)として半幅の晒布で締めるのに便利なように褌ロールを作っていた。  
持参した晒木綿1反を半分に折って褌ロールを作成 18:30

持参した晒木綿1反を半分に折って褌ロールを作成 18:30

拡大写真(2000X1750)472KB

   褌のロール一反 寒詣  北舟 

ふんどしの ろーるいったん かんもうで

A ten-meter-long role of loincloth, Midwinter pilgrims.

参加者同士が助け合って褌の準備

参加者同士が助け合って褌の準備

拡大写真(2000X1750)472KB

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