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■■■ 047 奇祭「国府宮はだか祭」の感動! ■■■ |
このたびは、H. I. さんのお陰で、平成21年(2009)2月7日に開催された天下の奇祭として知られる「国府宮はだか祭」の要(かなめ)となる神男(しんおとこ)と神守(かみまもり)として神男をガードする鉄鉾会(てっしょうかい)の活躍を密着取材し、その感動シーンを全国に紹介することができた。 国府宮はだか祭'09 |
日没の参道/神男を待つはだかたち 2006.2.10 |
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パノラマ写真(1950x900)446KB |
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ふんどしに つなつけまもる なおいさい |
Exorcism ritual, a guard connecting a rope to his loincloth. |
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褌 |
に命綱をつける |
神守 |
たち 2009.2.7 16:25 |
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拡大写真(1150x1800)238KB |
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「国府宮はだか祭」は正しくは儺追神事(なおいしんじ)といい、毎年旧正月の13日に斎行される。褌一丁の裸形で儺追笹(なおいざさ)を奉納した裸男(はだかおとこ)たちが厄を落とすべく全裸の神男(しんおとこ)に触れようと揉み合う勇壮な祭りで、天下の奇祭と呼ばれ、江戸時代の末頃から始まったという。平成21年(2009)は9,500余人の裸男と約16万人の観衆が国府宮に押し寄せ、大規模な裸のページェントが繰り広げられた。 |
第52回写真コンテスト 推薦 永田泰行 「もうひといき」 |
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写真提供:國府宮社務所 |
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岩手県奥州市・黒石寺の蘇民祭では、親方の全裸に岩手県警からクレームが付き、マスコミから注目を浴びた。国府宮でも江戸時代から儺追神事に全裸の神男が登場することは周知の事実であるが、愛知県警がクレームをつけたことはない。 |
第46回写真コンテスト 特選 真野宏平 「クライマックス」 |
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写真提供:國府宮社務所 |
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愛知県警稲沢警察署は、この日、県・管区機動隊など他部署の応援を得て550人体制で儺追神事の雑踏警備を行った。平成15年(2003)のはだか祭で、楼門付近で転倒したはだか男が圧死するという痛ましい事故が発生したことが教訓となっている。そのお陰で、今年のはだか祭が無事に終わったことを感謝したい。 |
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午後5時44分、力水を被ってずぶ濡れになった神男が儺追殿に姿を現した。三回のトライでやっと収容することができたという。神男と彼を抱きかかえて救出した神守の緊迫した表情から、如何に困難な作業であったかが想像される。 |
長老に |
越中褌 |
を締めてもらう |
神男 |
17:45 |
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自力ではもはや歩くことが出来ないほど疲労困憊(ひろうこんぱい)している神男は、二人の長老に両脇を抱きかかえられ、介抱されながら儺追殿の中に入り、盥(たらい)で泥足を洗って身を清めた後、越中褌を締めて貰った。 |
國府宮の |
厄除浄布 |
(はだか男の厄除鉢巻) |
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神男の越中褌は、白地に赤い線と国府宮の神紋が入った厄除浄府(やくよけ・じょうふ)を使ったものだった。厄除浄府は、はだか男たちが鉢巻として使うもので、心身を清め、自身の災厄を落とすための護符である。参拝人が厄除けのお守りとして持ち帰ることも多いという。 |
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神男は、長老の肩を借りて救出口に行き、心配して様子を伺っていたはだか男たちに元気な姿を見せ、挨拶した後、寝室に向かい、疲れた身体を横たえた。 |
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かみもりの たすけでかえる なおいにん |
The exorcist has returned by the help of god guards. |
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挨拶を終えて寝室に向かう |
神男 |
17:47 |
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「国府宮はだか祭」は、江戸時代から続く伝統の神事であり、4トンもある大鏡餅の奉納や褌一丁の男たちが一日に1万人も参加するだけでも驚きであるが、命がけで行う神男と神守たちによる儺追神事が如何に困難で尊く、多くの人々にロマンと感動と勇気を与えてくれる素晴らしいものであるかを知り、日本の誇る裸祭りの奥深さに改めて頭が下がる思いである。 |
密着取材を快諾して頂いた鉄鉾会はじめ国府宮の多くの方々に改めてお礼申し上げると共に、この作品が日本の裸褌文化の理解に役立てば、幸甚である。 2009.3.5 |
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