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手に取った第一印象 |
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2007年12月1日(土)の朝、待ちに待った11月23日発売のオリンパスのフラッグシップ・モデルE-3本体が宅急便で届いた。急に目が覚めた気分になり、箱を開け、中からボディを取り出した。810g という重量は、予期した以上に重い。E-510の470g から一気に340gも増えたのだから仕方がないが、これに11-22mm広角レンズを付けて、4ギガのCFメモリー(1010万画素の撮影可能枚数1,628枚)とバッテリーを装着すると1,480g となった。まだ入手していないが、同時発売の12-60mmを付けると、更に90g 増加して、1,570g となってしまう。これからこれを携えて世界の旅を続けるとすれば、かなりの重荷になる。良いことがあれば負担も大きいことを覚悟せねばならないが、オリンパス技術陣には、フラッグシップ・モデルといえども、フォーサーズ規格の有利性を生かして、高級ボディ・高級レンズ共に更なる小型軽量化をお願いしたい。なお、雑誌の評価記事で「E-3のライブ・ビューの液晶パネルは2.5型69万ドットなので、ニコンD-300と同様の3型92万ドットにして欲しかった」という指摘が散見されるが、大きく重たいカメラを真似することはない。オリンパスは、オリンパスらしく、液晶パネルの大きさはこれで十分なので、小型化を目指して欲しい。 |
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オリンパスのフラッグシップ・モデル「E-3」と12-60mmズームレンズ
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新品のストラップを取り付ける。OLYMPUSの文字が刺繍され、裏側には全面滑り止めが張られている。さすが高級機だと感心する。時刻を合わせ、マニュアルを一読して、操作要領を確認する。操作性は殆ど変わっていないので、ボタンやダイヤルの位置に慣れると、直ぐに使いこなせるようになる。ファインダーを覗くと、今までとは違って画面が大きくなっている。ただ、今までの大きさに慣れているせいか、眼球を左右に意識的に動かさないと左右がハッキリ見えない。今までは少し小さかったので、眼球を動かさなくてもよく見えた。好みの分かれるところであるが、私は今までのサイズでも困ったことはないので、なぜ、これまでファインダーが狭いことがハンディだといわれていたのかよく分からない。 |
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画面にはこれまでの3点から大幅に進化させた11点全点ツインクロスセンサーが3・5・3の横3列に並んでいる。ピントの合った場所の正方形がピピッという音と共にピカリと赤く光る。瞬時に反応するAF機能。これは凄いと思った。E-510までは合掌した点が赤く光るだけだったが、正方形となり、今どこにピントが合っているのかが非常に分かりやすくなった。しかし、露出諸元がこれまで右側に表示されていたのが、画面下になっている。ついつい右に視線が行くので、これは慣れるまで大変だ。 |
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次に、連写モードを試すことにした。連写は秒間5枚のHと3枚のLの2モードがある。Hに設定して、秒間5枚の連写を試してみる。カシャ・カシャ・カシャ・・・と小気味よい金属音が居間に響く。これまでにない軽やかで小気味の良い作動音が素晴らしい。ボディ全体を眺めると、外部フラッシュを装着するホットシューの金属部も黒く塗装されている。電池やメモリーの出し入れもレバーの開閉でロックする機構が備わり、電池の裏蓋も外れないように固定されている。洗練されたデザインと相まって高級感を醸し出している。性能といい、一つ一つの丁寧な造りといい、E-3はオリンパスのフラッグシップ機にふさわしい完成度の高いデジカメだと思った。 |
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最先端を行く2軸可動式ライブビュー |
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ボディ背面に採用された2軸可動式のライブビューは他社の追随を許さない。縦横自由なアングルで感動を切り取ることが出来る優れものだ。背面のライブビューボタンを押すと、ミラーアップしてライブビュー撮影に入り、撮像素子に届いた画像が背面液晶に映し出される。画角を決め、シャッターを半押しすると精密測光され、全押しすると、ミラーダウンしてAF機能によりピントを合わせたあと、ミラーアップしてシャッターが切られる。ファインダー撮影なら、半押しすると測光とピント合わせが同時に行われるので、全押しすると、直ちにミラーアップしてシャッターが切られ、ミラーダウンする。 |
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このように、ライブビュー撮影では、全押ししたあと、シャッターが作動するまでに、ミラーダウン・AF合焦・ミラーアップという3つの動作が必要なため、ミラーアップしか必要ないファインダー撮影と比べると、リリース・ラグ(シャッター・ボタンを全押ししてから実際にシャッターが切れるまでの遅延時間)が長くなる。この点、更に改良の余地が残されている。 |
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これに比べて、E-3と同時発売されたニコンD-300には、はじめてライブビュー機能が付加されたが、全く実用的でなく、評判が悪い。まず、D-300をライブビューにするためには、左上のレリーズモードダイヤルを廻して、ライブビューにあわせなければならず、ワンタッチではない。しかも、シャッターを半押しして初めて背面液晶に画像が表示される。また、全押ししても、オリンパスのようにミラーダウン・AF合焦・ミラーアップという動作は行われず、そのままシャッターが切られるので、事前に背面のAFボタンを押してピントを合わせておかないと、ピンぼけ写真となってしまう。このようにD-300のライブビュー機能は稚拙なもので、およそニコンらしくない。開発が間に合わなかったことは明らかであり、ライブビューの搭載は後継機まで見送るべきだったと思われる。 |
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ライブビュー撮影は、オリンパスの発明なので、E-3に叶う機種はないのは当然だが、E-3に対して更なる改善点を指摘しておきたい。リリース・ラグの縮小だけでなく、撮影したあと、ライブビューが復活するまでに数秒かかってしまうことだ。ライブビューで連写も可能だが、二枚目からはめくら撮りになってしまうのである。これでは、祭りやスポーツなど、次々に撮影したいときには間に合わない。また、ライブ・ビュー撮影の際には、ファインダーから光が入って測光に悪影響を与えないようアイピース・シャッターを手動で閉じなければならないが、これが意外と手間である。この点、セルフタイマー撮影などとともに、シャッターが切れる直前にアイピース・シャッターを閉じ、シャッターが切られたあとに開くように自動化してほしい。何もアイピースにシャッターをつけることはないので、どこかに光を遮るようなシャッターをつければ良いと思う。 |
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パワーアップした手ぶれ補正の IS ( Image Stabilization ) |
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E-510からボディにジャイロ・センサーを組み込み、カメラの揺れを検出して撮像素子を動かすボディ内手ぶれ補正機構が装備され、全てのレンズで手ぶれ補正が使えるようになった。ニコンやキャノンは、レンズ毎に組み込む方式をとっているため、レンズの光学設計に影響があり、費用や重量も増えるので、賢明な方式ではない。E-3では更にチューンナップされ、最大5段の補正が可能となり、世界一の性能を誇るという。また、E-3は IS ボタンが新設され、ワンプッシュで手ぶれ補正の設定モードに入ることが出来る。「OFF」「I.S.1」「I.S.2」の三つのモードがあり、何故かデフォルトは、E-510同様、「OFF」となっているので、作動するように切り替えなければならない。「I.S.1」は上下左右の手振れを防止する。「I.S.2」は、流し撮りなどのときに、上下の手振れを防止してくれる。常時「I.S.1」としておこう。 |
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モードダイヤルの廃止とコントロールパネルの新設 |
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外見上これまでの機種と大きく違うのは、右上にコントロールパネルという白黒液晶の表示パネルができたことである。そのかわり、オートや絞り優先、シャッター優先、マニュアル撮影などの切り替えがワンクリックでできるモードダイヤルがなくなった。撮影モードの変更は、左上のMODEボタンを押し、右後面のメインダイヤルをまわして行う。撮影モードが切り替わるごとにP、A、S、M の文字がコントロールパネルの左端に表示される。(背面液晶の左上にも大きく表示される。)便利な撮影モードの切替ダイヤルを廃して、コントロールパネル表示による撮影モードの切り替え方式にしたことは意見の分かれるところではある。 |
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これまでと同様に背面のINFOボタンを押すと背面液晶にスーパーコンパネと称して各種設定が表示されるので、普通に考えれば、右上にコントロールパネルを作る必要はない。背面液晶の設定値から抜粋したものを二重に表示しているだけであり、上から見えるというだけのものである。設定がどうなっているかは、カメラをちょっと前に傾けて背面液晶を見れば分かる。 |
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多分、設計陣は、ライブビュー撮影時には背面液晶のスーパーコンパネ機能が使えないので、コントロールパネルを設けて撮影諸元の切替・確認ができるようにしたのだろう。これはE-3から始まった新しい操作系の創造であり、ニコンのD-3やD-300もこの方式をとっているので、今後高級機はコントロールパネル方式が当たり前ということになりそうである。
なお、撮影モードを切り替えるMODEボタンだけでなく、ISOやWBなど、その他のダイレクトボタンも、メインダイヤルかサブダイヤルを廻して設定値を変更するようになっている。 |
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なお、小さな点だが、コントロールパネルの撮影可能枚数は3桁しか表示されないので、デフォルトのままで4ギガCFを差してフォーマットすると、スーパーコンパネの背面液晶には1628(枚)と表示されるのに、コントロールパネルでは999となる。撮影可能枚数が減って3桁になれば同じ数値になると思われるが、何故4桁表示にしなかったのだろうか。 |
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十字ボタン操作系の改良 |
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E-510では十字ボタンを押すと、ISOやWBなど各種機能の設定モードに入るようにしてあるが、便利な反面、十字ボタンがベルトのバックルなどに当たって、気が付かないうちにWBなどの設定値が変わってしまうという事故が起こる危険性があるため、メニュー画面の最後の項目でこの機能をロックする(使えないようにする)ことができるようにしてあり、私は常にロックして使っていた。(他社同等機にはこのロック機能が無く、事故防止対策をとっていたのはオリンパスだけだった。)E-3では、十字ボタンを押しただけでは設定値を変更することが出来ないようにしてあり、E-510のロック状態をデフォルトにしている。これは安全性を高めた賢明な改良である。 |
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十字ボタンから設定値を変更するには、十字ボタンの中心にあるOKボタンを二度押すと、変更モードに入る。これが最も安全・確実な方法で、私はISOやWBなどのダイレクト変更ボタンなどは使わず、各種設定の変更はOKボタンと十字ボタンで行っている。機種によって位置が違うボタンを探す手間も要らないので、これが一番簡単である。メニュー画面を起動して変更するのはもっと手間がかかるので、現場での変更はOKボタン二度押しと十字ボタンによることをお勧めする。 |
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新機能のSAT ( Shadow Adjustment Technology ) |
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E-510では階調設定は「標準」「ハイキー」「ローキー」しかなかったが、今回新たに「オート」を選択することができるようになった。マニュアルでは標準設定がお勧めと書いているが、私は常時「オート」に設定することにした。明暗差の大きな被写体、例えば晴天下の社寺のような景色は、青空や光を受けている屋根に露出をあわせると軒から下の影の部分が黒く潰れてしまい、逆に窓や入口に露出をあわせると、屋根や青空は露出オーバーになり、雲などが白飛びを起こしてしまう。これまでのカメラでは、これはどうしても避けられないことだった。 |
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ところがこのE-3の階調を「オート」に設定しておくと、雲や空も階調豊かに綺麗に写り、なおかつ、黒く潰れていた影の部分も自動的に調整されて明るく写り、目で見たとおりのナチュラルな画像ができあがる。これは凄いことなのに、何故か、PRやパンフレット、マニュアルではこの機能を明確に説明していない。 |
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この「オート」は、シャドー・アジャストメント・テクノロジー Shadow Adjustment Technology SAT という新技術であるらしい。フォーサーズという一から始めたデジタル専用設計のデジカメはオリンパスだけである。ニコンやキャノンは、フィルムカメラの規格のまま、フィルムを撮像素子に置き換えた重くて大きいデジカメである。過去のしがらみから解放された理想設計がフォーサーズ規格であれば、小型高性能の撮像素子とSATなどの処理技術を駆使し、小型軽量でなおかつハイクオリティな画像が撮れる優位性があることをもっともっと前面に打ち出してほしい。 |
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