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 感動写真集

2016年3月15日改訂

今 日

昨 日

祝詞〜越天楽

 

参籠の囲炉裏を囲む四行者   北舟

 

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Four ascetics confining in a shrine, sitting around the fireplace.

2010年2月10日制作

囲炉裏の炭火で暖を取る4人の行修者たち

囲炉裏の炭火で暖を取る4人の行修者たち/佐女川神社(北海道・木古内町)

 
佐女川神社神紋   佐女川神社   佐女川神社神紋

木古内寒中みそぎ祭

参籠祭

撮影・原作 上平明

はじめに
 平成22年(2010)1月13日(水)〜15日(金)の3日間北海道上磯郡(かみいそぐん)木古内町(きこないちょう)に鎮座する佐女川神社(さめがわじんじゃ)で「第180回寒中みそぎ祭り」が行われ、佐女川神社と木古内町観光協会の全面的な支援を受けて密着取材することができた。 木古内町観光協会公式サイト

【凡例】  ▲:上の画像の説明文  ▼:下の画像の説明文  〈画像の左クリック〉:別窓に拡大写真を表示

木古内町きこないちょう

の位置

木古内町の位置

資料:yahoo!地図

 

木古内町きこないちょう

 

▲▼ 人口5,400人余を擁する木古内町(きこないちょう)渡島半島(おしまはんとう)南西部に位置し、函館から西へ約40km、津軽海峡木古内湾に面した漁業、酪農、林業の町である。木古内の地名は、アイヌ語の「リコナイ(高く昇る源)」、または「リロナイ(潮の差し入る川)」から転訛したものといわれ北海道ではその歴史は古く570年ほど前から和人が定住したといわれている。

木古内町と

佐女川神社さめがわじんじゃ

木古内町と佐女川神社

資料:yahoo!地図

 

佐女川神社さめがわじんじゃ

 
▲▼ 佐女川神社(さめがわじんじゃ)松前藩地頭の河野加賀守源景広により寛永2年(1625)に佐女川(さめがわ)のほとりに武運長久を祈願し、祠(ほこら)が建てられたのが始まりといわれている。
 海辺の町にふさわしく主祭神は、海神である綿津見大神(わたつみのおおかみ)の子で、豊玉毘売命(とよたまひめのみこと)の妹に当たる玉依姫命(たまよりひめのみこと)で、初代天皇の神武天皇の母上にあたる。

きこない観光マップ

きこない観光マップ

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資料:木古内町観光協会
  ▲▼ その後、寛文6年(1666)の頃に、僧円空が来道し、鉈堀(なたぼり)像(観音座像)一体を安置したので、観音堂と称され、長く村人の信仰を集めていた。  
 慶応4年(1868)3月、廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)によって観音座像がとり払われるところを信心深い村人に守られこの像を主神として村内数社を合祀し社名を佐女川神社と改めて木古内村の鎮守に位置付けられた。
ライトアップされた雪中の

佐女川さめがわ

神社(北海道木古内町) 2010.1.14

ライトアップされた雪中の佐女川神社(北海道木古内町) 2010.1.14

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みそぎ事始め

 

 天保2年(1831)正月17日早朝、佐女川神社の神社守(じんじゃもり)夢の中で「ご神体を清めよ」とのお告げがあって目を覚まし、寒風肌を突き刺す中、すぐに神社真下の川へ向かい、小川の氷を打ち砕き、身を切るような冷たい川の水を桶に汲んで何回もかぶり、みそぎを行った。

 神社に戻りご神体を抱いて海岸に行くと大きな鮫(さめ)がいて、その背中には白衣をまとった美しい女性の姿があった。女性を神の聖なる使者だと信じた神社守は御神体と共に何度も極寒の海で沐浴した。しかし神社守が気づいたときには、既に女性の姿はなく河口にいた大きな鮫も上流に上り、小さな沼へ消えていった。

水垢離みずごり

に向かう 行修者ぎょうしゅうしゃ  2010.1.13

水垢離に向かう行修者 2010.1.13

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   神社守が御神体と共に海へ入り、自身の体と御神体を清めたその年からは、不思議なことに村の豊作豊漁が続き、天保の大飢饉を乗り越えて賑わいを見せるようになった。それ以来、村では毎年「寒中みそぎ」が行われるようになったという。  
深夜の水垢離/

佐女川さめがわ

神社 2010.1.13

深夜の水垢離-佐女川神社 2010.1.13

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▲▼ 天保2年(1831)から続く「寒中みそぎ」は正に命をかけて行う神事で毎年行修者(ぎょうしゅうしゃ)と呼ばれる4人の若者が1月13日から3日間佐女川神社本殿にこもり、極寒の中、昼夜の別なく数時間おきに水垢離(みずごり)を取り、1月15日「みそぎ浜」にてご神体を清め、1年の豊漁豊作などを祈願する。

小雪降る

佐女川さめがわ

神社  2010.1.15

雪の佐女川神社

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▼  「寒中みそぎ」は、明治38年(1905)から大正12年(1923)までの間は途絶えていたが、復活してからは、その伝統を受け継いで毎年行われてきた。近年は「木古内寒中みそぎ祭り」として、町を挙げた一大行事として催行されており、今年は、第180回の記念すべき年となった。

御神体の海中みそぎ/津軽海峡

木古内湾きこないわん

  2010.1.15

御神体の海中みそぎ/津軽海峡木古内湾 2010.1.15

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  ▲▼ 一昔前までは「寒中みそぎ」は1月13日から17日まで5日間かけて行われる長丁場だったが今では13日から3日間、次の日程で行われている。  
 1月13日 午後6時から参籠報告祭(さんろうほうこくさい)に引き続き「みそぎ」修行
   14日 「みそぎ」修行
   15日 午前10時 出御祭(みそぎ浜に向け出発) 午前11時50分 みそぎ浜にて海中みそぎ 
      午後    本祭  ご神体を納め神楽を奉納
   4人の行修者は、心身ともに壮健で穢れのない男子から毎年1名ずつが選ばれ、北の大地で厳寒の一月に4年連続3日間昼夜の別なく命をかけて行うみそぎは大変な苦行であるが、これまでの長い歴史の中で1人の離脱者も出ていないという。  
 厳寒の北海道においては、神社におけるこのような「みそぎ」行事は、佐女川神社のみで見られる神事である。
御神体を前に合掌する

行修者ぎょうしゅうしゃ

たち 2010.1.15

御神体を前に合掌する行修者たち 2010.1.15

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参籠報告祭さんろうほうこくさい

/初日 2010.1.13
 
▼ 寒中みそぎ祭は1月13日、関係者一同が佐女川神社本殿に集まり、若者4人の行修者の無事を祈願する参籠報告祭から始まり、その終了直後から厳しい「みそぎ」が開始される。
雪が止んだ

佐女川神社さめがわじんじゃ

 2010.1.13

雪が止んだ佐女川神社 2010.1.13

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▼ 行修者は四年間で四つの役を担い、それぞれ担当するご神体を清める役を担っている。この4年間は、故郷を離れていても、祭りの日には必ず帰省しなければならない。

囲炉裏の炭火で暖を取る4人の

行修者ぎょうしゅうしゃ

たち

囲炉裏の炭火で暖を取る4人の行修者たち

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  参籠の囲炉裏を囲む四行者  北舟 

さんろうの いろりをかこむ よんぎょうじゃ

Four ascetics confining in a shrine, sitting around the fireplace.

参籠報告祭さんろうほうこくさい

の開始

参籠報告祭の開始

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▲▼ 初年度は弁財天(べざいてん)(七福神の中でただ一人女性の神。一般的に弁天様といわれる。学芸と技能の神財福の神)を二年目は山の神(大山津見神(おおやまづみのかみ)で大山に住むといわれ、山や樹木を司る神。開運美人の守り神)を、三年目は稲荷(宇迦御魂神(うがのみたまのかみ)でお稲荷様として知られる。商工業・農業の神)を務め、お清めするご神体も役目と同じ名前のものである。

 弁財天は、仏教の守護神である天部の1つで、ヒンドゥー教の女神であるサラスヴァティ(Sarasvatī)から取り込まれたもの。ちなみに七福神で日本オリジナルの神は恵比寿だけで、その他はインドや中国の神々が仏教に取り込まれて日本に帰化したものである。山の神を含め、神仏や土着信仰が見事に習合している。
野村広章宮司のお祓いを受ける

行修者ぎょうしゅうしゃ

たち

野村広章宮司のお祓いを受ける行修者たち

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 最終の四年目は別当(べっとう)を務め、お清めするご神体は佐女川神社の主祭神である玉依姫命(ご利益は、海上安全・交通安全・縁結び・安産)である。別当とは「みそぎ事はじめ」に記した神社守のことであり、日頃神社を維持管理し、ご祭神をお守りする役目の者で、祭神に最も身近な存在である。

4人の

行修者ぎょうしゅうしゃ

 

別当

稲荷

山の神

弁財天

4人の行修者

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▲ 記念すべき第180回目の行修者は、左から「別当」「稲荷」「山の神」「弁財天」の役を務める4人の若者で、リーダー格の「別当」は、四年目の平野嘉栄さん(22歳 大学生)、「稲荷」は三年目の村上駿弥さん(19歳 専門学校生)、「山の神」は二年目の竹田峻輔さん(20歳 専門学校生)、「弁財天」は一年目の久保田 翔さん(17歳 高校生)である。

神前で参拝する

行修者ぎょうしゅうしゃ

たち

神前で参拝する行修者たち

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「みそぎ」へ精神を集中する

行修者ぎょうしゅうしゃ

「みそぎ」へ精神を集中する行修者

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「みそぎ」に使用する

藁草履わらぞうり

「みそぎ」に使用する藁草履

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