カナダ西部を北へ貫くカナディアン・ロッキーの山並みは、ユネスコの世界自然遺産に登録されており、北米大陸ならではのスケールに圧倒される。ヤムナスカの山々は、ロッキーの（Rocky 岩の）名に恥じない岩山がそそり立ち、太古の地層が地表に露出しているロッククライマー垂涎の地である。ヤムナスカ山麓はおよそ7500万年前の地層だという。

　標高2425mのヤムナスカは、南北に連なるロッキーの山々の南端に位置し、まるで訪問者を迎えるようにキャンモアの玄関先に位置している。ヤムナスカとは、先住民族語で「大きな一枚岩」という意味。

　ヤムナスカには５億年前に生まれた岩盤がある。この悠久の岩盤にタッチしながら、人類はホモ・サピエンスが出現してから僅かに20万年の歴史しかない新しい生物であり、人の命は一瞬の輝きに過ぎないことを知る。

　翌日は専用車でキャンモアを出発し、カナナスキス州立公園南部に入り、湖周辺のハイキングを楽しんだ。生憎この日は天候が悪く、景観を楽しむことはできなかった。

　二日目にホテルをサスカチュワン・クロッシングに移したあと、三日目の朝、車でアイスフィールド・パークウェイを南下。終日、ヨーホー国立公園の宝石と呼ばれるエメラルド・レイク周辺のハイキングを楽しんだ。

　ヨーホー国立公園は、総面積1313km²とカナディアン・ロッキーの4つの国立公園で最も小さいが、3000m級の山々が並ぶ奥深さがある。ヨーホーとは先住民の言葉で「すばらしい」の意。

　エメラルド色に輝くエメラルド・レイクは、レイク・ルイーズに勝るとも劣らないといわれる。ヨーホー国立公園にある61の湖水の中で最大の湖で、周囲4.8km、最大水深28m。湖畔にはエメラルド・レイク・ロッジが佇む。