六時堂に集まった参加者は、般若心経(はんにゃしんぎょう)を読誦のあと、もみ合いに移り、25枚の御札(おふだ)と呼ばれる魔除けの護符が2回まかれ、激しい争奪戦が繰り広げられる。 |
後半の部 午後3時15分、後半の部が始まる。寒さに備えてしっかりと準備運動をして身体を温めた生徒たちが、北門から元気良く飛び出してくる。後半は、仏教系の学校法人・清風(せいふう)学園が経営する清風南海高校と清風高校(いずれも男子校)の生徒400名に教職員45名が出場。ふんどしを締めてどやどやに参加した人は、総勢1,000名余となる。 |
一行は二手に分かれ、白組は園児が通った東側の参道から、赤組は六時堂の裏手から西側にまわり、亀の池の石橋南端で合流し、六時堂の正面に向かう。 |
六時堂に到着すると、前半の部と同様の要領でもみ合いが始まる。例年だと身体にかけられた水が湯気となり、もうもうと湯煙がたちのぼるそうだが、今年は暖かくて全く湯気は見えない。後半の部では、1回15枚の御札(おふだ)が3回にわたって撒かれる。 |
赤組、白組、赤白全員の順に、梁から落ちてくる御札の争奪戦が繰り広げられる。次々と投下される御札。それを何とか取ろうと必死に腕を伸ばす生徒たち。堂内は若者の発散する熱気に包まれ、騒然となる。各回の争奪戦で御札をとった人は、毎回一列に並び、一人ずつ観客に紹介され、拍手を受ける。 |
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白組の勝利 |
最後の赤白全員による御札の争奪戦の結果、白が10枚、赤が6枚を取った。今年は白組の勝ちとなって行事が終わった。 |
六時堂の前で水をかけられ、髪や上半身だけでなく、ふんどしまでずぶ濡れとなる。今年は無風だったので寒くはないだろうが、例年だと震えが来るのではないだろうか。今年のどやどやは、耐寒訓練にはならなかったようだ。 |
白組は勝ち名乗りを受け、意気揚々と引き揚げて行った。貴重な御札を取って誇らしげに翳す生徒もいた。全員、行事が無事に終わり、先生方もホッとした表情だった。拡大写真を良く見ると、もみ合いで肌が赤くなったり、かすり傷を受けた人もいたようだが、大した怪我ではなかったようだ。 参加者は、もと来た道を引き返し、本坊に戻り、冷え切った身体を風呂に入って温め、ぜんざいを食べたあと解散となる。
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拡大写真(1600x1200)1195KB |
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大阪といえども寒い真冬にふんどし一丁で御札を奪い合う裸祭り・・・どやどや。 古来から脈々と受け継がれてきた四天王寺独自の習俗である。 大都会の難波(なにわ)の地に、昔の人々と全く同じ衣装で伝統文化を受け継ぐ現代人がいた。 |
これからもこの伝統のスタイルを崩すことなく、子々孫々に受け継いでいってもらいたい。日本の裸文化を頑なに守っている四天王寺の取り組みに、心から声援を送りたい。
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裸の若者が発散するエネルギーに刺激され、どやどやを鮮明な映像に残したい衝動に駆られ、途中から撮影に集中。その結果、後半の部で、六時堂での御札争奪戦をズームでとらえることに成功した。 |
撮影を終えた今、私にはどやどやが日本三大奇祭の一つだとは思われなかった。ふんどし一丁で禊ぎをしたり神輿などを担いで練り歩く祭礼は全国に多くの例があり、どやどやもそのジャンルに入る裸祭りだと思う。参加者も我々と変わらないごく普通の市民だった。その中で高校三年生は、センター試験を目前に控えた参加であり、その労を多としたい。
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四天王寺どやどやは、昔は旧正月の修正会結願日の夜、西大寺会陽や黒石寺蘇民祭と同じように地元民が争奪戦を繰り広げていた。しかし、ふんどし一丁で御札を奪い合うという伝統は固持しているものの、現在は実施時期を新正月にシフトし、混乱を避けるため、日中に特定の団体だけが参加する行事となっている。観光客からすれば、日本三大奇祭のひとつを日中容易に見物することができるようになったが、反面、古来から継承されてきた伝統が変質している点は否めない。(完) |
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