ホームページお知らせお便りコーナー徒然日記俳句・海の風景ホームページ奮闘記作者のプロフィールリンク
  Wa☆Daフォトギャラリー  特集!旅紀行Q
2002年11月1日改訂

今 日

昨 日

BGM

     写真をクリックすると新しい窓が開き拡大写真(1200x900)302KBが表示されます。

2002年10月27日制作

葡萄畑とツェル村(モーゼル川/ドイツ)

葡萄畑とツェル村(モーゼル川/ドイツ)

モーゼルワイン紀行

撮影・原作:森本聡徳  調製・脚色:和田義男

01

ドイツ新幹線 《 ミュンヘン駅 》

ICE ( Inter City Express ) は、在来線上を走るドイツの新幹線である。

ドイツ新幹線

写真をクリックすると新しい窓が開き拡大写真(1024x768)112KBが表示されます。

ライン川とコブレンツの街

ライン川とコブレンツの街

写真をクリックすると新しい窓が開き拡大写真(1200x900)143KBが表示されます。

コブレンツ Koblenz ドイツ西部、ラインラント・ファルツ州の都市。人口11万(1995)。ライン川とモーゼル川の合流する三角州に位置し、対岸でラーン川とも結ぶ水陸交通・軍事上の要衝にあたる。
 防衛技術調達庁、国境警備隊本部、公文書館、上級地方裁判所などの連邦や州政府の諸機関、商工および手工業会議所、工業専門学校、教育大学、中部ライン博物館がおかれ、かつ連邦最大の軍営地である。
 伝統的産業は、ブドウ酒取引とビール、ゼクト酒(スパークリング・ワインの一種)の醸造であったが、EC(現、EU)の誕生でライン地方の経済的比重が増すにつれ、金属加工業、化学製造業、食品・嗜好品工業、印刷・製紙業も盛んとなった。
 コブレンツの名は、古代ローマ人の保塁 Confluentes (合流の意味)に由来する。フランク時代に王宮がおかれ、1018年皇帝ハインリヒ2世がトリール大司教ポポに王宮と市場開設特権を付与して以来、モーゼル川からラーン川の流域にひろがるトリール大司教(選帝侯)領の中心都市として発展をとげた。
 モーゼル・ザール・ルーヴァ (Mosel-Saar-Ruwer) はラインガウ (Rheingau) と並びドイツで優れたワインを産み出す地域である。殆ど100%が白ワインで、素晴らしい芳香と爽やかな酸味のフルーティなワインが生産されている。日本でも黒猫のラベルでなじみの深いシュバルツェ・カッツ (Schwarze Katz) の故郷を訪ねた。

 2002年10月15日、夫婦二人で関空からアムステルダム経由、ミュンヘンに到着。以後、事前に日本で買っていた German Rail Twin Pass (2等、4日間 2人用、¥33,300)を使い、鉄道でドイツ国内を旅行した。このパスは、ドイツ鉄道(DB)全線の自由席特急に乗車できる。

地 図 コブレンツ モーゼル川

緑で示す地域が葡萄栽培地

 17日、モーゼルワインの集散地・コブレンツ(Koblenz)に入った。列車はライン川に沿って走るため、車内からローレライ(Die Lorelei) などの風景を楽しむことができた。

ローレライ Die Lorelei

写真に向かって左側がローレライ

ローレライ Die Lorelei

拡大写真(1024x568)128KB

 ローレライは、コブレンツからライン川に沿って南東(上流のフランクフルト方向)約35kmにあり、ライン川中流の右岸にそびえ立つ高さ132mの巨岩の呼名である。かつてこのあたりは航海の難所であったが、今はライン名勝の一つとなっている。

 この岩は古来山彦を起こすことで知られ、古名〈ルーレライ〉は〈待ち岩〉を意味し、こだま(エコー)を岩(ライ Lei)のそばで待ちうける(ルーレン lauern)ことに由来する命名だという。

 またここに住み、歌声(エコー)で舟人を誘惑したという水の精・ローレライの伝説は良く知られる。

02
コヘム Cochem の街

写真をクリックすると新しい窓が開き拡大写真(1024x768)198KBが表示されます。

モーゼル川 Mosel ライン川最大の支流。上流部のフランスではモゼル Moselle 川と呼ばれる。全長約545km、流域面積2万8360km2。ボージュ山地南部に源を発し、パリ盆地東縁部のロレーヌ地方を北流して、ルクセンブルクとドイツとの国境をなす。ドイツ領に入ると北東に向きを変え、著しく蛇行しながら北のアィフェル丘陵と南のフンスリュック山地の間を流れて、コブレンツでライン川に合流する。
モーゼル河谷(かこく)はローマ時代より交通路として利用されたが、現在も鉄道や自動車道路、水運に重要な役割を果たしている。とくにコブレンツからメッスまでの約300kmには1964年に運河工事が完成し、1500トン級の船舶の航行が可能となった。モミの森林に覆われ、湖沼の多い上流のロレーヌ台地は鉄と石炭に恵まれ、モーゼル川に沿うナンシー、メッス、ティオンビルなどの工業都市を生んだ。
 モーゼル河谷は河岸段丘の発達がよく、段丘面上ではモーゼル・ワインとして知られる白ワインの生産を目的とするブドウ栽培が盛んである。
 とりわけハイネの詩《ローレライ》(1823)はジルヒャー Friedrich Silcher (1789‐1860) の作曲によって民謡のように広く親しまれ、日本でも〈なじかは知らねど心侘(わ)びて〉で始まる近藤朔風(さくふう)の訳詞で愛唱されている。 

モーゼル・ザール・ルーヴァ Mosel-Saar-Ruwer

 モーゼル川とその2つの支流であるザール川・ルーヴァ川に沿って続く峻険な丘の中腹は、白ワイン醸造の葡萄畑である。この地の葡萄は、軽くて粗いストレート質の土壌で栽培されており、素晴らしいリースリングのワインが産出されることで有名だ。
 産出する殆どのワインは白ワインで、酸味の新鮮さに富んださわやかでキレのいいワインである。モーゼル・ザール・ルーヴァ地域の年産量は約13万キロリットルで、99.9%を白ワインが占め、品種はリースリングが全体の55%を占める。

コヘム Cochem の街

 コブレンツからザールブリュッケン方面行きの準急列車に乗り、コヘムに行った。コヘムまでコブレンツから約40分。モーゼル川に面するコヘムは、ワイン造りとワインの取引で栄えた街だ。
コヘムののっぽビル

拡大写真(1200x900)258KB

 街は細い道に沿って木組みのきれいな店が並び、ワインを売っている店、土産物屋、レストランなどがびっしりと立ち並んでいた。観光地だけあって外人観光客でにぎわっていたが、日本人には出会わなかった。
03

写真をクリックすると新しい窓が開き拡大写真(1200x768)190KBが表示されます。

ツェル村の町並み

 ツェル村はモーゼル川に沿った山間地で平坦部が少なく、家屋のすぐ裏の急斜面に葡萄畑が広がっている。

 ツェル Zell 

 モーゼル・ザール・ルーヴァ地域のうち、モーゼル川の下流(ライン川に近い方)に黒猫〈シュバルツェ・カッツ〉の故郷・ツェル村がある。
ツェル Zell  村

拡大写真(1024x768)167KB

 ツェル村へは鉄道を利用し、コブレンツからザールブリュッケン方面の列車に乗ると約50分でブルライ(Bullay)に到着。バスで約10分の距離にツェル村がある。

モーゼルワイン

 モーゼルといえば白ワイン。緑の”なで肩”のビンに入っている。
コヘムのワイン ツェル村のデキャンタ ツェル村のワイン

コヘムのワイン (1024x768)177KB

ツェル村のデキャンタ (1024x768)134KB

ツェル村のワイン (1024x768)170KB

コヘムのワイン

 コヘムで一軒のワイン・カフェに入った。入っても席に案内されるわけでもなかったが、主人は気さくで、地元ワインを出してくれた。グラスワインの甘口、辛口をそれぞれ注文し、飲んでみたところ、葡萄の粒が口の中に広がるような味がした。

ツェル村のデキャンタ

 ブルライ(Bullay)からのバスは、地元民が2人乗っているほかは私達だけだった。ツェル村のバス停に立つと、葡萄の香りがしてきて、さすがワインのふるさとだなと感心する。
 折角来たのだから地元のワインを飲んでみようと思い、小さなワイン・カフェに入り、早速注文した。ハーフボトルのデキャンタに入れられたワインとシュバルツェ・カッツのマーク入りのワイングラスが運ばれてきた。口に含むと、とても新鮮でフルーティなワインだった。

ツェル村のワイン

 ツェル村のショーウィンドウに並ぶワインは、みんな黒猫の絵がある。値段は3〜5.6ユーロ。1ユーロは約130円なので、400円で750ccのフルボトルが手に入る。
黒猫伝説
 黒猫のラベルは、ツェル村に昔から伝わる『黒猫の乗った樽のワインは、美味しい・・』という伝説に由来しているという。今から140年ほど前、3人のワイン商人がツェル村にやって来た。村一番のワインを買い付けるため、酒蔵を一軒一軒訪ねた。

 樽の試飲があらかた終わり、いよいよ売買契約が交わされようかという段になったが、商人達は未だ最上の樽を決めきれないでいた。

 ことのほか出来の良い三つの樽を前にして試飲を繰り返していると、何処に潜んでいたのか、一匹の黒猫が三つの樽の中の一つの樽に乗ると、背中を怒らせ、毛を逆立て、鋭い爪の前足で
空を引っ掻き、一歩たりとも近寄ることを許さないと威嚇した。これを見た商人達は迷うことなく、その樽を買った。

 黒猫が身をもって守ろうとしたワインは、ツェル村きっての銘醸畑「Petersborn」と「Kabertchen」からのものだった。この出来事はやがて村中に広がって、双方の畑から取れたワインは、いつしか親しみを込めて「黒猫」と呼ばれるようになったという。

 爾来、黒猫の商標を巡って紆余曲折があったが、今日では「Schwarze Katz」は「Zell」「Merl」「Kaimt」村に属する16の葡萄畑にのみ許されるラベルとなった。老舗ツェル村の「Schwarze Katz」は、誇らしげに「Zeller Schwarze Katz 」と表示されている。
Wine's Room ワインの部屋 にゅぶにゅぶ Wine Wine Wine Wine lovers' WebRing Japan
Wa☆Daフォトギャラリー

 Copyright (C) 2000-2006 Yoshio Wada. All Rights Reserved. 

ホームページお知らせお便りコーナー徒然日記俳句・海の風景ホームページ奮闘記作者のプロフィールリンク