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 感動写真集

2012年5月16日改訂

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2004年1月20日作成

アラブの間(スペイン・アランフェス宮殿)

アラブの間(スペイン・アランフェス宮殿)

地図
 スペイン España の首都マドリード Madrid は人口約300万人、標高650m、イベリア半島のほぼ中央に位置する。スペイン語では語尾の d を発音しないため、マドリー と呼ぶ。
 その南約47km、荒野の多いカスティーリャ地方にあって珍しく沃野にあるアランフェスは、人口4万人ほどの小都市で、スペインの作曲家ホアキン・ロドリーゴの名曲「アランフェス協奏曲」で一躍有名になった。
 タホ川河畔の緑豊かなアランフェスは、王宮と庭園の街として知られ、2001年、この街の文化的景観がユネスコの世界文化遺産に登録された。
 アランフェスは、スペイン王家の保養地として利用された。18世紀のフェリペ5世の時代に、フランスのブルボン王朝の血族がスペイン王家に入り、以後19世紀初頭にかけて、王家と共に繁栄を謳歌した。

 マドリード・アトーチャ駅から30分毎に電車が出ており、約45分でアランフェス駅に着く。アランフェス宮殿はその東にあり、駅前のトレド通りを左へ曲がり、並木道を歩いて行くと、15分ほどで宮殿に至る。

アランフェス駅(5時45分)

王宮への並木道

アランフェス駅(5時45分) 王宮への並木道

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アランフェス宮殿 Real Sitio de Aranjuez

 アランフェス宮殿は、王家の春と秋の別荘として16世紀にフェリぺ2世が建築を命じ、代々の王を経て、18世紀の後半カルロス3世の時代に完成した。フェリぺ2世は、スペインが西ヨーロッパで最も強力で広大だった時代の王として知られる。
 石と煉瓦で作られたこの宮殿は典型的なスペイン建築で、内装は19世紀のまま保存されている。広大な庭園に向かって建つファザード(建物正面)は、本館が正面玄関を囲み、両サイドに円蓋(えんがい)がある。

 正面玄関はイタリアのジャコモ・ボナヴィアが18世紀に建築したもの。ロココ様式(オーストリア建築様式)の王座は、後にカルロス4世の戴冠式が行われたという。

アランフェス宮殿全景

アランフェス宮殿全景

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アランフェス宮殿本館

アランフェス宮殿本館

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♪アランフェス協奏曲  Concerto de Aranjuez

Rodrigo in 1992

《 第2楽章冒頭部分 》 

ホアキン・ロドリーゴ Joaquin Rodrigo  1901-1999

 アランフェス協奏曲で世界的に知られる盲目のスペイン学派の大家ホアキン・ロドリーゴは、1999年、98歳で他界した。
 彼は3歳で失明したものの、パリのスコラ・カントルムに留学し、クラシック音楽の作曲家ポール・デュカス Paul Dukas の愛弟子として薫陶を受けた。
 簡潔で近代的な音楽様式は、先行するファリャやトゥリーナ等の新古典的民族的スタイルを継承していると評され、スペインの偉大な作曲家として人気が高い。 

 この地を新婚旅行で訪れたロドリーゴは、河畔の自然の中を新妻と連れ添って歩くうちに、あのロマンチックな第2楽章の楽想を得た。このため、彼はこの曲の第2楽章から書き始めたという。

 アランフェス協奏曲は1939年に完成し、翌年初演され、高い評価を受けた。その後、クラシック部門にとどまらず、ポピュラーやジャズなど様々なジャンルを横断して愛奏されており、それ自体、普遍的な名曲であることを物語っている。

 彼はギター協奏曲という一旦廃れていた形態を復活させ、ギター再興に大きな役割を果たした。この曲はアランフェスの住民にとっても大きな誇りで、1986年、ロドリーゴの記念像が建てられた。 

宮殿正面広場

宮殿正面広場

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宮殿右側広場

宮殿右側広場

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磁器の間  Salón de Porcelana

 数ある部屋の中でも、オリジナリティにあふれているのが磁器の間である。テーマに沿って、部屋全体が極彩色の人物、動物、植物の磁器で覆われていて、見る人を驚かせる。大理石の床も当時のままであるという。
磁器の間 1 磁器の間 2

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 音楽ホールにはエウヘニア・デ・ホンティホ(ナポレオン3世の妃)からイザベル女王へ送られたピアノが置いてあり、その近くの部屋は豪華なシャンデリアや大理石の床がある。

舞踏の間

舞踏の間

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天井画

天井画 1 天井画 2

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アラブの間(喫煙の間)  Salón de Árabe

 アラブの間は、この宮殿にあっては異質の存在である。というのも、この部屋はイスラム教国がグラナダに残したアルハンブラ宮殿の「二姉妹の間 Sala de las Dos Hermanas のコピーだからである。この内装の美しさは何度見ても息を呑むほどに素晴らしい。時や人種を超えて、人々の心をとらえて放さない普遍的な美しさがあることに感動を覚える。

アラブの間 1

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アラブの間 2

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小庭園

小庭園

宮殿の回廊

宮殿の回廊

薄暮のアランフェス

薄暮のアランフェス

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宮殿裏側の水路

宮殿裏側の水路

宮殿の側を流れるタホ川  Rio Tajo

 かって王族たちが豪華な舟を浮かべて優雅な船遊びに興じたタホ川は、今は水鳥が遊ぶ静かな川である。この川が荒野のカスティーリャ地方のアランフェスに緑を与え、繁栄をもたらした。

宮殿の側を流れるタホ川

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 川岸をゆったりと散歩する二人の姿が見える。現在のタホ川は、アランフェスに住む人々に安らぎを与えてくれるオアシスとなっているようだ。

宮殿裏側のタホ川

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プロフィール

撮影・原作: アマチュア写真家 南光 優 (なんこう まさる)

住居:豊中市

趣味:パソコンいじり、写真、山登り、ガーデニング

 2003年11月下旬のスペイン旅行の最大の眼目は、ロドリーゴ作曲のアランフェス協奏曲の舞台となったアランフェス宮殿を訪ねることであった。ツアーには組み込まれていなかったので、午後の自由時間を利用してマドリード・アトーチャ駅から電車に乗り、45分でアランフェス駅に着いた。
 枯葉を踏みしめながらロマンチックなプラタナスの並木道を15分ほど歩くと、憧れの宮殿が見えてきた。クラシックに凝りはじめて十数年、感激的な出会いであった。美しいメロディを生み出したバックグラウンドをしっかりとカメラに収めた。〈 完 〉
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