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2004年9月10日(金)、立川からクラブツーリズム(株)による上高地日帰りバスツアーに参加した。八王子インターから中央道に入り、長野道を経て一般道に下り、沢渡(さわんど)、中の湯、釜トンネルを経て、上高地に入った。 |
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昭和9年(1934)阿寒や日光などとともに国立公園に指定された中部山岳国立公園は、総面積174,323ha、新潟、富山、長野、岐阜4県にまたがり、北は立山(たてやま)、剣岳(つるぎだけ)から南は乗鞍岳(のりくらだけ)に及ぶ北アルプス(飛騨山脈)一帯に広がる日本を代表する山岳公園である。 |
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霧の大正池 |

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中部山岳国立公園にある上高地は、長野県北西部、南安曇郡(みなみあずみぐん)安曇村(あずみむら)にあり、特別名勝、特別天然記念物に指定された景勝地である。 |
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穂高連峰(ほたかれんぽう)や焼岳(やけだけ)、霞沢岳(かすみさわだけ)に囲まれ、槍ヶ岳(やりがたけ)を源流とする梓川(あずさがわ)に沿って標高1,500m、長さ16km、幅500mほどの細長い盆地が続く。 |
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幻想的な大正池の佇まい |

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マイカー規制 |
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駐車場が少なく道路事情が悪いことから、マイカーは周年釜トンネルから先は入域できず、上高地には徒歩かバス・タクシーで入ることになる。また、冬季は雪崩の恐れがあるため、11月中旬から4月下旬まで、釜トンネルから先は通行止めになる。 |
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二人きりのとき |

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梓川の散策 |
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一般の観光は、南西端の大正池から田代池、田代橋、上高地帝国ホテル、上高地バスターミナル、河童橋、小梨平(こなしだいら)を経て北東端の明神池(みょうじんいけ)に至るエリアが中心で、大正池から明神池まで歩いて片道3時間の距離である。 |
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車内で弁当を食べたあと、昼前、大正池で下車し、梓川に沿って河童橋まで3時間の散策を楽しんだ。帰りのバスは、河童橋西方徒歩5分の上高地バスターミナルで待機しているので、片道の散策である。 |
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倒壊して株だけになった木々が目につく。中央の建物は大正池ホテル。 |

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大正池は大正4年(1915)焼岳(やけだけ)の大噴火によって梓川が堰き止められてできた池である。その後、堤の一部が切れて小さくなり、昭和2年(1927)には堰堤(せきてい)がつくられ、下流の東京電力・霞沢(かすみさわ)水力発電所の調整池として人工的に管理されるようになった。 |
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最近は周りの山や梓川の上流から流れ込む土砂によって、池が浅く小さくなり、立ち枯れの木々も倒壊して残り僅かとなっている。自然は刻々と変化し続けてとどまることがないことを実感する。 |
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人なつっこいマガモ
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マガモ(雄) |
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資料 |
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大正池の水鳥 |
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鏡のような水面に糸を引くように水鳥が泳いでいた。マガモとオシドリである。 |
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マガモ(真鴨) マガモは冬鳥で、夏の間はシベリアなどに渡るが、上高地のマガモは水辺の草地に巣をつくって一年中住みつき、繁殖しており、初夏には雛を連れた母鳥の姿が見られるという。 |
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マガモは北半球に広く分布し、日本付近では北海道・千島・本州の一部などで繁殖する。ドナルド・ダックで有名なアヒルは、真鴨を家禽化したもの。 |
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マガモ(雌) |
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オシドリ(雄) |
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資料 |
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オシドリ(鴛鴦) オシドリも大正池のほかに河童橋付近や徳沢(とくさわ)などで4月から10月半ばまで見られるという。マガモと違って秋には低地に移動する。高い木の穴に巣を作る。雌は目の後の白い線が特徴。 |
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オスは繁殖期には大きな銀杏羽(いちょうばね)をもち、とても美しいが、繁殖を終えると、エクリプスと呼ばれる地味な羽色に変わる。しかし、嘴(くちばし)が赤いことでメスと区別できる。 |
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オシドリは、いつも番(つがい
雌雄一対)で泳いでいるとされることから、仲の良い夫婦のことをオシドリ夫婦という。写真のオシドリは残念ながら単独行動だった。 |
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オシドリ(雌) |
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エクリプスのオシドリ(雄) |
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立ち枯れの木々 |

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散策路には、手つかずの自然林が残されている。湿気が多いためが、木々の表面に苔が生えている。 |
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苔生す原生林 |

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湿原や小川には木道が整備されており、特別の装備を必要とせず、お年寄りや子供でも簡単に散策できる。疲れないためには、トレッキングシューズと水筒(ペットボトル)の準備があると良い。 |
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上條嘉門次 |
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資料 |
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槍ヶ岳から端を発する梓川は、下流の犀川(さいがわ)、千曲川(ちくまがわ)、さらには日本最長の信濃川(しなのがわ)へと続き、日本海に注ぐ。 |
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梓川の中に目を向けると、魚影が見える。かつて日本アルプスを世界に広めた英国人ウェストンを北アルプスの山に案内した杣人(そまびと 木樵)でまたぎ(猟師)の上條嘉門次(かみじょう・かもんじ)は、明神池のそばに小屋を建て、狩猟のかたわらイワナ捕りを生業としていた。その頃は「イワナ七分に水三分」といわれるほど沢山いたという。 |
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現在では、在来種のイワナのほかに、放流されたブラウントラウトなどが棲息し、これらの様々な雑種が見られるという。明神橋より下流では、放流されたものや雑種が殆どのようで、全面禁漁になった現在でも、イワナの群生が見られることはないという。 |
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木道(もくどう)を歩いていると、その下の清流に30cmほどはありそうな魚(ブラウントラウト?)が一匹じっとしていた。 |

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田代池は、流れ込む土砂で年々埋まり、小さくなっているという。赤みがかった砂地は、焼岳の噴出物の中に含まれる鉄分に由来しているといわれる。同様の理由で赤い河床をもつ小川が散在する。 |
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大自然のダイナミズム |
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池の底には水生植物が見られるが、枯れ葉や根などが溜まって次第に浅くなり、やがて湿原へと変わってゆく。田代池の周辺に広がる湿原も、かつては田代池の一部だったといわれる。
その湿原もやがて土砂で埋まり、新しい森が生まれてくるという。輪廻転生(りんねてんしょう)のような、大自然のダイナミズムを感じる。 |
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田代池の水生植物 |
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