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★★★  ようこそ 写真俳句の世界へ! ★★★

Wa☆Daフォトギャラリー  和田北舟の俳句  

2011年5月7日改訂

今 日

昨 日

♪Morning Mood(朝)/ペール・ギュントより 作曲:グリーグ(ノルウェー)

拡大写真(2000x1500)513KB

フィヨルドの村の教会夏の色   北舟

2001年7月16日制作

新緑のウンドレダール村
新緑のウンドレダール村 /ソグネフィヨルド(ノルウェー)

 


 



 
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2007年8月17日(金)

 6月13日(水)スウェーデンの首都ストックホルムを見学し、一泊したのち、ツアー最終日の7日目・14日(木)午前10時半、AY636便にてストックホルムを出発、約1時間のフライトでフィンランドの首都ヘルシンキに到着した。

夏港岩を穿ちしドームかな   

Summer port,
The dome
made of drilled rock.

なつみなと いわをうがちし ドームかな

 テンペリアウキオ教会は三度の設計コンクールを経てスオマライネン兄弟の設計で1969年に建てられた個性的なデザインのルーテル派教会の建物。岩の中にスッポリと隠れているので、ロック・チャーチとも呼ばれる。
 

ヘルシンキ涼しき夏の港町

 

Helsinki,
A port town
of cool summer.

へるしんき すずしきなつの みなとまち

 国際航路の定期船は、ヘルシンキ市の南東部、マーケット広場のあるエテラ港に入港する。ヘルシンキとストックホルム間は、一日2便、二社が夜行フェリーを運行している。その内のひとつのヴァイキング・ラインはカタヤノッカ・ターミナル Katajanokkanterminaaliに接岸する。
 

大砲の古びし島や空高し

 

High sky,
An island
of old cannon.

たいほうの ふるびししまや そらたかし

 フィンランドの南海岸を守る要塞として防御壁が張り巡らされたスオメンリンナ島は、エテラ港の南方、フェリーで15分ほどの海上にある。世界文化遺産に登録されていることからヘルシンキの観光スポットとなっている。

 当時フィンランドを統治していたスウェーデン王・フレデリク I 世がロシアの攻撃に備えて1772年に作った要塞だったが、1808年にロシアのアレクサンドル I 世により陥落してしまった。

「海辺の町ヘルシンキ」 2007.6.14

特異なデザインのテンペリアウキオ教会

特異なデザインのテンペリアウキオ教会

パノラマ写真(2000x800)391KB
ヘルシンキの遊覧ボート
ヘルシンキの遊覧ボート

拡大写真(1600x985)310KB

外海に向けて据え付けられた古い大砲
外海に向けて据え付けられた古い大砲

拡大写真(1600x1200)432KB

 
 


 

 
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2007年8月13日(月)

 6月12日(火)ノルウェー第二の都市ベルゲンを見学し、13日(水)午後2時頃、空路にてスウェーデンの首都ストックホルムに到着。
市庁舎の巨塔聳ゆる夏の空 

Summer sky,
The big tower of City Hall
rising high above.

しちょうしゃの きょとうそびゆる なつのそら

 スウェーデンの首都ストックホルムは約76万人が暮らすスウェーデン最大の都市で、北緯 59度20分、東経 18度3分に位置する。「水の都」、「北欧のヴェネツィア」ともいわれる水上都市で、北欧で最大の人口を誇る。
 最初に訪れたところは、ノーベル賞の受賞
祝賀会が開かれるストックホルム市庁舎。

 市庁舎の中庭から内部に入ると、ブルーホールと呼ばれる大広間がある。中世のイタリアを思わせるデザインで、高窓からの採光が効果的である。コンサートや式典など多目的に使われているが、最も有名なイベントは、毎年ノーベルの命日である12月10日に開かれるノーベル賞受賞祝賀晩餐会である。

黄金の女王おわす夏の宮

The golden queen
being
in the summer palace.

おうごんの じょうおうおわす なつのみや

 更に二階には黄金の間があり、1900万枚の金箔を使ったモザイクで飾られた壁面は、豪華絢爛そのもの。このホールは、ノーベル賞受賞祝賀パーティの舞踏会会場として使われる。 黄金の間の上座の壁面に「メーラレンの女王」と呼ばれる女性が描かれている。

水の宮ガムラスタンの夏景色

The water palace,
Gamla Stan
in a summer scenery.

みずのみや がむらすたんの なつげしき

 ストックホルム発祥の地ガムラ・スタン。ガムラ Gamla は古い、 スタン Stan は街という意味で、その名の通り、ストックホルムの中心地にある最も古い地区である。ここには狭い路地や歴史ある教会など、17〜18世紀の中世の面影が色濃く残されている。

 狭い石畳の路地に古い建物がひしめき合って建っているため、いきなり中世のヨーロッパにタイムスリップしたような錯覚を覚える。

 ガムラ・スタンの見学を終えたツアー一行は、ストックホルム港が見渡せる展望スポットに着いた。港の入口は東にあり、複雑な多島海を通ってバルト海に出ることが出来る。

夏港観光船の鈴生に

A summer port,
The sightseeing boat
packed with tourists.

なつみなと かんこうせんの すずなりに

 「水の都」や「北欧のヴェネチア」と呼ばれるだけあり、水と船とは切っても切れない関係にある。ガムラ・スタンの周辺は、あちこちに船着場があり、観光船や島々を巡る巡航船で賑わっていた。

北中の夕焼に染む旧市街

The old town
dyed with red
by the sunset
into the northern meridian.

ほくちゅうの ゆうやけにそむ きゅうしがい

 南中は太陽が昼に南の子午線を通過することであるが、北中はその反対で、太陽が夜
に北の子午線を通過することである。日本では北中する太陽は絶対に見ることができないが、白夜の町では、夏場は太陽が沈まないので、このような不思議な光景を見ることが出来る。

「水の都ストックホルム」 2007.6.13

城塞のような市庁舎
城塞のような市庁舎

拡大写真(1600x1200)365KB

市庁舎二階・黄金の間

市庁舎二階・黄金の間

拡大写真(1800x1330)392KB
市庁舎展望塔から臨むガムラ・スタン(旧市街)
市庁舎展望塔から臨むガムラ・スタン(旧市街)

パノラマ写真(2900x700)448KB

資料

クラシックな旅客船
クラシックな旅客船

拡大写真(1600x1300)408KB

太陽の北中で夕焼けするガムラ・スタン(旧市街)

マウスカーソルで画面のどこかをポイントすると説明が現れます。

太陽の北中で夕焼けするガムラ・スタン(旧市街)

拡大写真(1200x800)277KB

資料

 
 


 

 

 
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2007年8月6日(月)

 6月11日(月)ノルウェーのフィヨルドを観光し、スタルハイムに一泊。翌12日(火)早い朝食を取ったあと、スタルハイム渓谷に別れを告げるときが来た。午前7時、ホテルのバックヤードに降りて、家内の構えるカメラの前で記念のポーズをとった。
氷河谷スタルハイムの夏の朝 

A glacial valley,
Summer view at Stalheim.

ひょうがだに すたるはいむの なつのあさ

 午前7時45分ホテルを出発したツアーバスは、ベルゲン鉄道の終着駅であるノルウェー第二の都市・ベルゲンに向かった。途中ノルウェー第二の大きさのハダンゲンフィヨルドのそばを走る181km、4時間半の道程である。 午前8時10分頃、ツインネの滝を見学。この滝には一口飲めば10年若返るという言い伝えがある。まさにルウェー版「養老の滝」である。

フィヨルドの激流跨ぐ朝の虹

Morning rainbow
straddling
the torrent of fjord.

ふぃよるどの げきりゅうまたぐ あさのにじ

 この日も晴天に恵まれ、太陽を背に美しい虹がかかり、さい先良いスタートとなった。高さ150mほどある滝の右サイドに清水を汲み取るミニ滝があり、ペットボトルに給水。冷たくて新鮮なミネラル・ウォーターが手に入った。

 午前9時20分過ぎ、ツアーバスはノルウェーの誇る偉大な音楽家・グリーグが一時期居を構え、こよなく愛したというハダンゲルフィヨルドが見える道路に入った。 午前9時半頃、ハダンゲルフィヨルドの断崖を開削した道路に入り、展望台で小休止。壮大な景観を楽しんだ。

こなたより海のはじまり夏の空

Sky of summer,
From here
the sea begins.

こなたより うみのはじまり なつのそら

 ベルゲンの南東に位置するハダンゲル(ハルダンゲル)フィヨルドは、全長179km、ノルウェーで2番目に長く、果樹の花が咲く牧歌的な風景で知られる。

 午前10時過ぎ、ハダンゲルフィヨルドに面するノルヘイムスンの町に着いた。海辺の町といっても湖畔の町のようで、丘の上には教会があり、雪渓の残る山々を背景に端正な家々が点在し、美しい町並みが印象的である。

迸る滝の白波虹の橋

White waves
gushed from the fall,
A bridge of rainbow.

ほとばしる たきのしらなみ にじのはし

 ノルヘイムスンの町を過ぎて間もなく、午前10時20分頃、ステインダールの滝に着いた。この滝はフィヨルドの壮大な滝からすると小規模だが、滝を裏側から眺められるので、名物の滝となっている。

 太陽を背にステインダールの滝を眺めると、美しい虹が現れた。道路の橋の上から撮影したが、こゝまで飛沫が飛んでくる。勢いよく落下する豊かな水量のためである。

 ツアーバスは、午後零時半頃、目的地ベルゲンに到着。起伏のある町並みにギッシリと建ったカラフルで美しいマイホームが印象的である。昼食後、最初に向かったのは、ノルウェーの誇るグリーグの家。

フィヨルドに眠るグリーグ夏礒辺

Summer sea shore,
Grieg sleeping
at fjord.

ふぃよるどに ねむるぐりーぐ なついそべ

 トロルハウゲン(トロルの棲む丘)と呼ばれるグリーグの家は、エドワルド・グリーグ博物館として一般公開されている。こゝにはノルウェーの偉大な音楽家・エドワルド・グリーグが22年間住んだ白いビクトリア風の家が保存され、フィヨルドを見下ろしている。その家の左手のスロープを下りて行くと、小さな船着場があり、その手前の崖にグリーグ夫妻が眠る墓がある。

 グリーグの家の次はフロイエン山の展望台にいった。ここはベルゲンの街が一望のもとに見渡せる必見のスポットである。

見下ろせば白夜の街の昼の景
Looking down
the daytime scenery
of the town
in the midnight sun.
みおろせば びゃくやのまちの ひるのけい

 ベルゲン港の最奥部に面した広場に建つ魚市場は、いつも地元の買物客や観光客で
賑わいを見せている。その場で買ってすぐ食べるなら、塩ゆでの小エビやスモークサーモンのサンドイッチなどが良い。
 
 魚市場にはカラフルなキャビアが並んでいるが、ノルウェーでは魚卵のことをキャビアと呼ぶ。チョウザメの卵である本物のキャビアは見あたらなかった。真正キャビアにそっくりの黒色のものがよく売れており、画面左端にある50g入りの瓶詰め6個パックが200クローネ(4000円)ほど。

避暑の海キャビアの並ぶ魚市場

Summering sea,
Caviar making lines
at the fish market.

ひしょのうみ きゃびあのならぶ うおいちば

 魚市場前から西に延びる目抜き通りの奥に建つヨハネス教会は、1894年に建てられた煉瓦造の教会で、街のシンボルになっている。夕食後、午後9時頃に訪れたが、夏至に近い時期とあって、とても夜とは思えない。ハスキー犬を連れて散歩する女性が現れたので、パチリ。白夜の街にふさわしい光景だった。

ベルゲンの白夜の教会ハスキー犬

Husky dog,
The church at Bergen
in the midnight sun.

べるげんの びゃくやのきょうかい はすきーけん

 翌6月13日(水)朝目を覚ますとベルゲンは珍しく晴天だった。この日は朝10時出発で、余裕があったので、早々に朝食を済ませて市内を散策した。

 散策の最初の目的地は、ノルウェー国鉄( NSB; Norges Statsbaner )が誇るベルゲ
ン鉄道の終着駅である。駅舎の外観は城館を思わせる風情があり、期待していたとおり、石造りの堂々たる建物だった。

 駅舎の中に入ると、アーチ型の広い空間がたっぷりと取られ、落ち着いた雰囲気があ
る。時刻は8時半を廻っており、通勤ラッシュのピークが過ぎたころであった。

 駅構内には改札口がないので、そのままホームに入ると、丁度ホームの左側にベルゲン行きの電車が到着したところだった。右側にはフロム鉄道の接続駅・ミュルダール行きの電車が発車時刻を待っていた。終着駅なので線路は行き止まりになっている。広い採光部のあるかまぼこ型の屋根が印象的だった。

ベルゲンや終着駅の風涼し

Bergen,
Cool wind
at the terminal station.

べるげんや しゅうちゃくえきの かぜすずし

 ブリッゲン地区は、ベルゲン港に面した三角屋根の木造の建物が並ぶ地域で、ベルゲ
ンがハンザ同盟で栄えた頃、ドイツ商人の住居や事務所などに使われていたところ。中世ノルウェー建築の典型として、1979年に世界文化遺産に登録された。ブリッゲンとは「岸壁」のことで、かつてはドイツ岸壁 Tyskebryggen と呼ばれていた。

夏港軒を寄せ合ふ木造屋
Port in summer,
The eaves of wooden houses
 leaning together.
なつみなと のきをよせあう もくぞうや

 古い建物であるだけに、歪(ゆが)んだり、傾いたりしているところがあり、お互いに支え合って共存している。現在は表側にレストランやブティックがあり、奧は芸術家たちの工房として使用されている。

「夏のベルゲン」 2007.6.12-13

スタルハイム渓谷の朝

スタルハイム渓谷の朝

拡大写真(1400x1050)359KB

ツインネの滝で若返りの水を汲む

ツインネの滝で若返りの水を汲む

パノラマ写真(1600x1000)364KB

ハダンゲルフィヨルドに出る

ハダンゲルフィヨルドに出る

拡大写真(1400x860)197KB

ステインダールの虹の滝

ステインダールの虹の滝

パノラマ写真(1400x1375)427KB

グリーグの墓

グリーグの墓

拡大写真(1400x1050)407KB

フロイエン山頂で展望を楽しむ人たち

フロイエン山頂で展望を楽しむ人たち

拡大写真(1400x1050)341KB

キャビアが並ぶ魚市場

キャビアが並ぶ魚市場

拡大写真(1600x1024)370KB

煉瓦造りのヨハネス教会
煉瓦造りのヨハネス教会

拡大写真(1200x1600)292KB

ベルゲン駅のプラットホーム
ベルゲン駅のプラットホーム

拡大写真(1400x1050)370KB

ブリッゲン地区ズームアップ!

ブリッゲン地区ズームアップ!

拡大写真(1600x820)239KB

 
 


 


 
 

 
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2007年7月29日(日)

 2007年6月8日(金)から15日(金)まで、クラブツーリズム主催の「美しき北欧4カ国スペシャル8日間」の旅に参加し、デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、フィンランドの北欧4ヵ国を巡った。6月10日(日)ノルウェーの首都オスロを観光したあと、翌11日(月)朝、オスロ中央駅からフィヨルド探訪の旅に出掛けた。

谷合の山辺の鏡夏の湖   

Summer lake,
A mirror of mountainous valley.

たにあいの やまべのかがみ なつのうみ

 オスロを出発して間もなく、期待通りの美しい田園風景が車窓の左右にあらわれた。ノルウェーは平地が少なくベルゲン鉄道は山間部を走る。この辺は標高も低く、残雪もないので、完全な夏景色である。
 

深山路の大雪渓や草の屋根

 

Great snowy valley
at deep mountain area,
Roofs with weeds.

みやまじの だいせっけいや くさのやね

 午後0時10分頃になると、鉄道のそばに残雪に覆われた山々が姿を見せ、車窓は早春の光景に変わった。
 午後0時20分頃になると電車は海抜1000mほどの山地に入り、車窓に溶け始めた氷が浮かぶ湖が現れた。雪渓が見えてから僅か20分足らずの間に、周りは冬景色となった。
 ミュルダール駅のホームの反対側にはフロム鉄道のフロム行き登山電車が待機しており、指定された車輌に乗り換えた。オスロから専用バスが荷物を運んでくれているので、我々は身の回り品だけで乗り換えできるので、有り難い。僅か5分ほどで乗り換えが完了し、電車は午後1時過ぎに出発。
 

妖精の蒼きドレスや滝怒濤

 

A blue dress of fairy,
Surging waves of the fall.

ようせいの あおきどれすや たきどとう

   ミュルダール〜フロム間を結んでいるのは、世界の旅行客が絶賛するフロム鉄道。ダーググリーンの登山電車が全長20.2km、高度差860m、最大斜度5度の急勾配を1時間で結ぶ。
  出発して10分ほどでショース(ヒョース)滝を見物するため、二つのトンネルの間の小さな駅に停車。
 ここではフロム鉄道のアトラクションとして、音楽にあわせて青いドレスを身につけたうら若き乙女が滝のそばで美しいソプラノの歌声を響かせてくれる。この女性が扮するのは民話に登場する美しい山の妖精フルドレで、演劇学校の女学生がアルバイトで出演しているという。
 ソグネフィヨルドの南部は二つに分枝しており、東側がアウランフィヨルドで最奥部にフロムがある。西側はナーロイフィヨルドと呼ばれ、最奥部にグドバンゲンがある。我々の乗ったフェリーは午後3時にフロムを出港し、グドバンゲンまで約2時間の船旅が始まった。
 

フィヨルドの水面に映ゆる滝ひとつ

 

A fall
reflected in the surface
of the fjord.

ふぃよるどの みずもにはゆる たきひとつ

 ノルウェー西部にある全長204km、最深部1308mのソグネフィヨルドは、世界一長くて深いフィヨルドである。入口はベルゲンの北72kmのノルウェー海にあり、そこから大地を裂くように東に切り込み、内陸部に進むにつれて何本ものフィヨルドに枝分かれしている。
 ソグネフィヨルドは、約100万年前に形成された2000〜3000mもの厚さの氷河が約1万年前に溶け出し、海側に移動する際、その重さで谷底がU字型に削りとられ、その後に海水が入り込んで現在のようなフィヨルドが形成されたと考えられている。
 今でもフィヨルド奥部の山頂には氷河や冠雪が残っており、その雪融け水が滝となって急峻な山肌を流れ落ち、壮大な景観を誇るフィヨルドの美しいアクセントになっている。
 

フィヨルドに落ち込む滝や夏鴎

 

A fall
falling into the fjord,
Summer seagulls.

ふぃよるどに おちこむたきや なつかもめ

 フェリーはソグネフィヨルドの分岐点に達し、左に大きく変針して、ナーロイフィヨルドに入った。「地球の歩き方」では「ネーロイフィヨルド」と表記されているが、発音しやすいこちらの表記でゆく。
 狭いフィヨルドを意味する全長17kmのナーロイフィヨルドは、ソグネフィヨルドの支流で、幅が250mしかなく、その名の通り世界で最も狭いフィヨルドである。2005年ガイランゲルフィヨルドと共に世界自然遺産に登録された。
 ナーロイフィヨルドは、世界自然遺産に登録されただけのことはあり、短い夏の一時期に観光客が訪れるだけの、まさに秘境といえるフィヨルドで、この奥にグドヴァンゲンという村があるとは思えない神秘的な佇まいである。
 グドヴァンゲンからフロム行きのフェリーとすれ違った。筆者が乗船するフェリーの同型船で、Fjord1 (フィヨルド1号)という船名である。この巡航船は、地元民の大事な足であり、夏場の観光船でもある。船橋の左ウイングでカメラを構えている人が見えるが、私も同じ位置で撮影している。
 

フィヨルドの村の教会夏の色

 

A village church
of the fjord
in the color of summer.

ふぃよるどに おちこむたきや なつかもめ

 午後3時50分ころ、左手に美しいウンドレダールの村が見えてきた。人口130人、農家が多く、主に山羊を飼い、チーズを生産しているという。緑の木々に覆われてはいるが、険しいフィヨルドの崖を後背に、雪融け水で激流となった川が海に注いでいるのが印象的である。
   この村の中央に、とんがり帽子の赤い屋根に白壁の教会が見える。オモチャのような可愛らしい教会だが、フロム教会の黒壁の教会と共に絵葉書にも登場する有名な教会である。
 

フィヨルドの奥へ奥へと青岬

 

Blue capes
going and going
 into the inner part of the fjord.

ふぃよるどの おくへおくへと あおみさき

 

群青の海より見上ぐ夏岬

 

Summer capes,
Looking up
from the deep blue sea.

ぐんじょうの うみよりみあぐ なつみさき

   サーグ滝は1962年に日本画の巨匠・東山魁夷が描いたナーロイフィヨルド最大の滝である。サーグとはノコギリという意味で、日本ではノコギリ滝と呼ばれているらしい。大量の融雪水が1000mを超える山頂から鋸(ノコギリ)の歯のようにジグザグになって一気に下ってくる迫力は神々しく、筆舌に尽くしがたい。付近の最大水深は230mという。
 

フィヨルドの天より下る神の滝

 

The God fall
going down
from the sky of fjord.

ふぃよるどの あめよりくだる かみのたき

 午後4時45分ころ、右手に人口20人のバッカの村が見えてきた。このあたりは幅250m、水深12mしかなく、ナーロイフィヨルドの最狭部である。
 水深が浅いので、航行船舶の乗り上げを防止するため、水路の左右に緑と赤の簡易灯標が設置されている。船舶はこの灯標の間を航行すれば、座礁する心配はない。
 623の写真は、感動写真集の作者である蓮野渉さんが、2005年5月に筆者と逆コースでこの地を通過した際、赤灯標付近で撮影したものである。5月なのでまだ雪が残っている。船が走った後に発生する航走波の中に青空が円形に映り込み、まるで青空が波の中に取り込まれたようで、とても不思議で素晴らしい写真である。
 バッカを過ぎると、いよいよナーロイフィヨルド最奥部にあるグドヴァンゲンである。「神と草原」という意味のグドヴァンゲンは、1800年代から観光客が訪れていたといい、多いときには350台もの馬車が待機していたという。
 

フィヨルドの黒断崖や滝簾

 

Black cliff of the fjord,
Falls
look like bamboo blind.

ふぃよるどの くろだんがいや たきすだれ

 スティヴィを過ぎると、すぐ右手に最高1800mの山がそそり立ち、黒い屏風のような岩山に何本もの滝が白い帯のように落下する壮大な光景が現れ、目を見張った。観光資料には名前が付けられていないので、屏風滝と命名しておこう。
 

フィヨルドの夏の青空波の中

 

Blue summer sky
 in the waves of the fjord.

ふぃよるどの なつのあおぞら なみのなか

 グドヴァンゲンを出発したツアーバスは、ナーロイフィヨルドの奥地に続くスタルハイム渓谷に入り、やがてその最奥部の急斜面に取り付けられたつづら折りの登山道路を登りはじめた。
 スタルハイム渓谷は氷河が大地を削り取って生まれた氷河谷で、ノルウェー屈指の壮大な景観で名高い。ヘアピンカーブを登坂(とはん)中、車窓から豊富な水量を誇るスタルハイム滝が見えた。その右上に今宵の宿・スタルハイム・ホテルがある。
 スタルハイム・ホテルは、美しい渓谷を見下ろすスタルハイム村にあり、海抜370mの崖の上に一軒だけ建つ山頂ホテルである。レトロな風情が漂う風格ある建物で、ロビーはアンティーク調。下界と隔絶された場所にあるため、夏季のみの営業という。
 

フィヨルドに下る渓谷夏の空

 

Summer sky,
The valley
going down
to the fjord.

ふぃよるどに くだるけいこく なつのそら

 スタルハイム・ホテルのバックヤード(裏庭)は、広いテラスとなっており、その縁辺から壮大なスタルハイム渓谷を眺めることが出来る。
 テラスの一角に手摺のついた展望台がある。断崖絶壁なので足がすくむ人がいるかも知れない。足下にはスタルハイム滝が見え、流れ落ちた融雪水は、スタルハイム渓谷を通り、ナーロイフィヨルドに注ぐ。

「夏のフィヨルド探訪」 2007.6.11

車窓の田園風景

車窓の田園風景

拡大写真(1600x860)332KB

草屋根の家

草屋根の家

拡大写真(1800x1200)415KB

山の妖精の踊り

山の妖精の踊り

拡大写真(1800x1500)355KB

海に注ぐ滝

海に注ぐ滝

拡大写真(1200x1400)310KB

海に落ち込む滝

海に落ち込む滝

拡大写真(1200x1600)450KB

絵葉書にも登橋するウンドレダール・スターヴ教会

絵葉書にも登橋するウンドレダール・スターヴ教会(写真中央)

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世界自然遺産のナーロイフィヨルドを行く

世界自然遺産のナーロイフィヨルドを行く

拡大写真(1230x1600)219KB
ナーロイフィヨルド最大のサーグ(ノコギリ)滝

ナーロイフィヨルド最大のサーグ(ノコギリ)滝

拡大写真(100x1400)387KB

フィヨルドの美しい紋様!/バッカの赤灯標付近 (2005.5)

フィヨルドの美しい紋様!/バッカの赤灯標付近 (2005.5)

撮影:蓮野渉

拡大写真(1400x930)269KB

展望台からの素晴らしい眺め!

展望台からの素晴らしい眺め!

拡大写真(1400x1050)391KB

 
 


 


 
 


 
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2007年7月15日(日)

 2007年6月8日(金)から15日(金)まで、クラブツーリズム主催の「美しき北欧4カ国スペシャル8日間」の旅に参加し、デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、フィンランドの北欧4ヵ国を巡った。6月9日(土)デンマークの首都コペンハーゲンを観光したあと、'PEARL OF SCANDINAVIA' に乗船し、午後5時コペンハーゲンを出港、ノルウェーの首都オスロに向かった。

夏鴎小島の白きレストラン   

Summer sea gull,
White restaurant
 on a small island.

なつかもめ こじまのしろき れすとらん

 翌6月10日(日)、目を覚ますと、船はスカゲラク海峡 Skagerrak を横切ってオスロ・フィヨルドに入り、オスロを目指していた。朝食のビュッフェ・スタイルのバイキングを楽しんだあと、デッキに出て入港までのひとときを過ごした。ノルウェーの時差は、デンマークと同じサマータイムで-7時間。
 

オスロ港豪華客船夏巡航

 

Oslo port,
Luxurious passenger boat
in summer cruise.

おすろこう ごうかきゃくせん なつじゅんこう

 外海から100kmほど入ったオスロ・フィヨルドの最奥部に位置するオスロは、オスロ・フィヨルドに南面し、三方を山に囲まれた街並みは、緑豊かな自然と調和して、美しい景観をつくり出している。
 6月10日午前9時半、無事オスロに上陸し、新しいツアーバスに乗り込んで最初に訪れたのはフログネル公園。
 

夏の空オスロの顔のおこりんぼう

 

Summer sky,
Angry boy
a mascot of Oslo.

なつのそら おすろのかおの おこりんぼう

   フログネル公園は、ノルウェーの誇る偉大な彫刻家 アドルフ・グスタフ・ヴィーゲラン(1869-1943)が人生の縮図を表現した193体の彫刻を展示する世界に類を見ない一大彫刻公園である。オスロ市が現在ヴィーゲラン美術館になっている建物をアトリエ・邸宅として提供する代わりに、ヴィーゲランはすべての作品を公園に提供するという未曽有の契約により実現したもの。
 ヴィーゲランは、唯一オスロで授与されるノーベル平和賞のメダルをデザインしたことでも知られる。彼の父は、厳格なキリスト教徒であったが、彼の作品群には全く宗教色はない。ヴィーゲランは、全体の芸術性や作品の意図が損なわれないよう、公園からひとつとして作品が持ち出されることがないよう遺書に残しているため、この地に来ない限り、彼の実物の作品を見ることはできない。
 橋の欄干の中程に人だかりのする銅像がある。誰が名付けたのか、有名な「おこりんぼう」で、一度盗難に遭ったこともあるという。幼児がだだをこねている裸像だが、絵葉書にもなっていて、オスロの顔となっている。
 フログネル公園の彫刻の数は193体。刻まれた人間の数は、人造湖脇の胎児から噴水にある骸骨まで含めると650体以上になり、全てが老若男女の喜怒哀楽を表現した裸像であるのが特徴。個々の作品には名称や解説が一切なく、それをどう見るかはその人の感性に委ねられている。
 

泉湧く輪廻の像の髑髏かな

 

A fountain
gushing forth,
A skull
of statue of transmigration.

いずみわく りんねのぞうの どくろかな

 見る人の想像に任されているとはいうものの、現地ガイドはしっかりと説明してくれる。ヴィーゲランは、人生の喜怒哀楽の縮図と、誕生から死に至る輪廻(りんね)を表現したのだと。噴水のそばの骸骨の銅像がそれを裏付けるもので、黒山の人だかりである。人は誕生してつかぬまの人生を謳歌し、そして必ず死を迎える・・・。
 オスロの国立美術館には、ノルウェーを代表する画家・ムンクの「叫び」や「マドンナ」などの作品が多数収められている。「叫び」や「マドンナ」は同名の作品が何点かあるが、2004年、市営・ムンク美術館 Munch Musset に収蔵されている「叫び」と「マドンナ」が盗難に遭い、破損されて返還された。そのため、国立美術館の「叫び」と「マドンナ」にはガラスが嵌められ、写真も撮影禁止となり、盗難防止に万全の体勢がとられている。
 

フィヨルドの赤き叫びや大雪渓

 

Huge snowy valley,
Red scream
of the fiord.

ふぃよるどの あかきさけびや だいせっけい

 「叫び」はムンクが1893年に発表した油彩画で、彼の代表作である。極度にデフォルメされた人物や、血のように赤く染まったフィヨルドの夕景と不気味な形、赤い空に対比した暗い背景、遠近法を強調した構図。 この絵は、彼が感じた幻覚に基づいている。
 「叫び」はこの絵の人物が発しているのではなく、「自然を貫く果てしない叫び」が聞こえるため、その恐怖から耳を塞いでいるのである。ムンクがこの絵を発表した際、当時の評論家たちに酷評されたが、後に一転、高く評価されるようになった。
 カール・ヨハン通り北西端の高台の広場には、立派な王宮が建っている。この建物は1822年に着工されたが、資金不足のために一時中断されたあと、1848年に完成した。
 王宮前広場には、当時のスウェーデン王・カール・ヨハンが馬に乗った大きな銅像が建っている。ノルウェーは1814年から1905年までスウェーデンの支配下にあり、ノルウェー王も在位していたが、スウェーデン王がこの王宮を建てたため、1905年(ナインティーン・オー・ファイブ)に独立した後も、そのまま銅像が残されている。
 

衛兵の直立不動夏真昼

 

Midday in summer,
A guard standing
at attention.

えいへいの ちょくりつふどう なつまひる

 王宮には銃剣を担いだ衛兵が一人、直立不動の姿勢で勤務していた。衛兵をバックにした記念撮影は自由であるが、話しかけてはならないという。彼は見学者との会話を禁じられているからである。
 勤務中の衛兵はサングラスを着用できないようで、ハンサムな若者であったが、とても眩しそうな目をしていた。サングラスをすると、伝統の衣装のイメージが損なわれることは間違いなので、彼らの高い美意識を感じる。
 オスロ市庁舎は、オスロ市創立900年を記念して建てられたもので、ハーラル王によりオスロ市の基礎がつくられてから丁度900年後の1950年に完成した。中央の大ホールを挟んで両翼にタワー棟があり、市長はじめ職員はそこで執務している。
 ノーベル平和賞は、ノルウェー国会の選考により、毎年ノーベルの命日である12月10日にオスロ市庁舎の大ホールで授与式が行われる。日本人では、1974年に佐藤栄作が唯一受賞している。
 

夏光シティホールの大壁画

 

Sunlight in summer,
 Huge wall painting
of City Hall.

なつひかり シティホールの だいへきが

 オスロ市庁舎の南側の波止場と市庁舎の間にある市庁舎前広場は、市民のオアシスで、噴水の周りで日光浴を楽しむ姿が見られた。
 波止場では、ヴァイキング船博物館などのあるビィグドイ Bygdøy 地区行きのフェリーが発着している。
 

炎天下肌焼く人の港町

 

Burning sun,
A port town
of sunbath.

えんてんか はだやくひとの みなとまち

 デンマークのコペンハーゲンの郊外で見たように、オスロでも裸になって日光浴をする人たちが多数見られた。
 急激に肌を焼くことは、染みや皺が増えて身体に有害だと思われるが、夏の短いノルウェーでは、太陽を身体(からだ)いっぱいに感じることが大きな喜びなのだろう。

「港町オスロの夏」 2007.6.10

鴎と小島レストラン

鴎と小島レストラン

拡大写真(1600x1300)448KB

オスロ市庁舎(左端)と豪華客船 'STAR  PRINCESS'

オスロ市庁舎(左端)と豪華客船 'STAR  PRINCESS'

拡大写真(1900x1000)257KB

オスロの顔となった「おこりんぼう」

オスロの顔となった「おこりんぼう」

拡大写真(1340x1600)242KB

骸骨の裸像

骸骨の裸像

拡大写真(1600x1200)374KB

ムンクの代表作「叫び」 / 国立美術館

ムンクの代表作「叫び」 / 国立美術館

拡大写真(1200x1500)327KB

直立不動の衛兵

直立不動の衛兵

拡大写真(1200x1600)294KB

ヨーロッパ最大の壁画を誇る市庁舎の1階大ホール

ヨーロッパ最大の壁画を誇る市庁舎の1階大ホール

パノラマ写真(1800x900)359KB

裸になって肌を焼く人たち

裸になって肌を焼く人たち

拡大写真(1400x1050)384KB

 

 


 


 

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2007年7月2日(月)

 2007年6月8日(金)から15日(金)まで、デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、フィンランドの北欧4ヵ国の旅に出かけた。今回はクラブツーリズム主催の「美しき北欧4カ国スペシャル8日間」の旅で、33人が参加し、実質5泊6日の観光だった。

夏の朝壕の帆船の影淡し   

Summer morning,
The light shadows of yachts
 on a moat.

なつのあさ ほりのほぶねの かげあわし

 デンマークのコペンハーゲンは、シェラン島 Sjællan (Zealand) の北東部に位置し、約50万人(広域の首都圏では約108万人)が住む。この街は、12世紀にロスキレのアブサロン司教が要塞を築き、「商人(コペン)の港(ハーゲン)」を興したのがはじまり。現在も港湾都市として重要な拠点になっており、ロマン漂う街並は訪れる人々を魅了して止まない。
 運河に沿ってカラフルな木造家屋が並ぶエリアがコペンハーゲンを象徴する景観として名高いニューハウンである。かつては、長い航海を終えた船乗りたちがくつろぐ居酒屋街として賑わいを見せていたという。現在では、運河に沿った北側の通りにレストランが並び、夏には路上にテーブル席が並んで賑わいを見せる。
 ニューハウンはアンデルセンが愛した場所として知られ、彼はこの界隈に三度居を構えた。それらは現在でも残されており、壁にはアンデルセンの名前と経歴を刻んだ石板が埋め込まれている。
 

銃剣の衛兵ひとり夏宮殿

 

A guard with a bayonet
standing
at a summer palace.

じゅうけんの えいへいひとり なつきゅうでん

 アマリエンボー(アメリエンボー)宮殿は冬の王宮で、8角形の広場の全周に配された4棟のロココ調の建物である。1794年に当時の宮殿だったクリスチャンボー城が炎上したため、4人の貴族のマンションを宮殿とした。
毎日、午前11時30分になると近衛兵がローゼンボー城を出発し、正午にはアマリエンボー宮殿の前で衛兵交代が行われ、観光のひとつの見所となっている。衛兵は、イギリスのバッキンガム宮殿の衛兵のように黒い熊の毛皮の帽子を被っているが、真夏のこの時期だけは、暑さを凌ぐため、略帽が許されている。
 

朝涼や寄する漣人魚姫

 

Cool morning,
The ripples moving
to the princess of mermaid.

あさすずや よするさざなみ にんぎょひめ

   チャーチル公園の北東端には、コペンハーゲンを代表する人魚姫の銅像がある。全長80cmの愛らしい姿の周りは、カメラの放列が絶えない。人魚姫は1836年にアンデルセンが発表した童話のヒロインである。
 人魚姫の像は、1913年彫刻家エドワード・エッセンによって造られた。当時王立劇場ではバレエの「人魚姫」が上演されており、それを見たビール会社の社長・カール・ヤコブセンがこの像の制作を思いつき、プロデューサーとなった。
 人魚は腰から下が魚だが、この像は足首近くまで人間で鱗(うろこ)がなく、両足の部分に尾ヒレがついているだけである。モデルとなった人魚姫のプリマドンナの足があまりにも美しかったためといわれている。
 

鈴なりの遊覧船や夏運河

 

Summer canal,
Sight-seeing boat
full of tourists.

すずなりの ゆうらんせんや なつうんが

 クリスチャンボー宮殿を取り囲む運河がガンメル・ストランドである。ストロイエ通りの側には船着場があり、多くの観光客を乗せた遊覧船が発着している。
 DFDS Canal Tour という会社が運河を航行する遊覧船の中から街並みを眺めるガイド・ツアーを催行している。ガンメル・ストランドとニューハウンの二箇所に発着所がある。どちらも60クローネ(1200円)で約50分の船旅を楽しむことができる。
 

大砲の居並ぶ古城夏の海

 

Summer sea,
Cannons line up
 in an old castle.

まつりがさ しちぶさんぶの しりはしょり

 クロンボー城はコペンハーゲンの北約44kmにある港町ヘルシンオアの北東端にある城塞で、2000年にユネスコの世界遺産に登録されている。
 四稜閣ともいえる菱形をしたクロンボー城は、北海とバルト海を結ぶヨーロッパ海運の大動脈であるエーアソン海峡の僅か幅4kmの最狭部にあり、スウェーデンに対峙して、国境警備に当たる要衝となっている。
 海に向かって並ぶ大砲が今でも船に睨みを利かせている。対岸のスウェーデン領ヘルシンボリ Helsingborg にもクロンボー城と同時期の有名な城があるが、当時はデンマーク領だったので、エーレ海峡を通過する船舶は、この海峡最狭部で検問に遭い、通行税が徴収された。
 

夏の海シェークスピアのゐた古城

 

Summer sea,
Shakespeare
once stayed
at the old castle.

なつのうみ しぇーくすぴあの いたこじょう

 城塞の入口・クラウンワーク門を入って左の壁にシェークスピアのレリーフがある。シェークスピアがこの地を訪れたとき、メモ魔で知られる彼は、種々のエピソードをメモし、やがてそれをヒントに四大悲劇の中でも特に優れた戯曲「ハムレット」を書いたという。
 

夏古城タペストリーのハムレット

 

Old castle in summer,
 The tapestry of Hamlet.

なつこじょう たぺすとりーの はむれっと

 クロンボー城は、菱形の城で、北棟は王の住居、西棟は王妃の住居で、デンマーク・ルネサンス様式。東棟は王族の部屋や厨房、南棟は教会で、内装はフレデリクII世時代のもの。城内の各部屋やホールには、16世紀後半から18世紀初頭にかけて収集されたタペストリー、家具、絵画などが展示されている。
 特に、王妃の間は興味深い。ダイニング・テーブルの直ぐそばの壁には大きなタペストリーがかけられている。この後ろに毒殺の犯人が隠れていたという。シェークスピアはこのエピソードを聞き、巧みに「ハムレット」の中に組み込んだといわれる。
 当時の様子が色濃く残る貴重な遺産であるが、 「ハムレット」に描かれたような陰謀のドラマもあったらしく、城の裏手にある階段には、それを物語る文字が刻まれているという。
 

夏の海巨大風車の緩やかに

 

Summer sea,
Huge windmills
revolving gently.

なつのうみ きょだいふうしゃの ゆるやかに

 クロンボー城を後にしたツアーバスは、元来た道を引き返し、コペンハーゲンのフェリーターミナルに到着。初日のツアーはこれで終わり、我々はノルウェーのオスロ行きのフェリーに乗船した。
 コペンハーゲン港を出港すると、右手に20基の白い大型風車が現れ、風を受けて緩やかに回っていた。風が弱いためか、停止している風車もあった。これはクリーンエネルギーである風力を利用した発電施設である。

「夏のコペンハーゲン」 2007.6.9-10

ニューハウンの帆船

ニューハウンの帆船

拡大写真(1500x1200)477KB

銃剣とサーベルの衛兵/アマリエンボー城

銃剣とサーベルの衛兵/アマリエンボー城

拡大写真(1400x1200)245KB

人魚姫の像(側面)

人魚の像(側面)

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ガンメル・ストランドの船着場

ガンメル・ストランドの船着場

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エーアソン海峡に向けて並べられている大砲

エーアソン海峡に向けて並べられている大砲

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シェークスピアのレリーフ

AMLETHの文字が見えるシェークスピアのレリーフ

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暗殺に使われたタペストリー/王妃の間

暗殺に使われたタペストリー/王妃の間

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海上の巨大な風車群/コペンハーゲン港外

海上の巨大な風車群/コペンハーゲン港外

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★彡 日本初の写真俳句 ★彡

. 俳句「海の風景」文頭

東京 2007年1月2日 2006年12月13日(水)、12年かかって500句目の俳句「広州の瑠璃の館の秋寂びぬ」をアップした。俳句「海の風景」は、50句づつ束ねて10集が完成し、11集目に入った。「フォトギャラリーに俳句は必要か。」「俳句の英訳はなぜ?」「褌の俳句を続けるのはなぜ?」などと自問しながら、「継続は力なり」を信条に、ここまでやってきた。「駄作ばかりで、進歩していないのではないか。」とも思う。それは多分そうかも知れない。

しかし、俳句にはたった17文字で写真では表現できない余韻や深みや浪漫がある。読者の解釈如何で、味わいがいかようにも変化する。俳句のお陰で、簡潔明瞭な文章が書けるようになった。英訳付き俳句や褌句は、裸祭りシリーズのように誰もやっていないジャンルである。どんなテーマでもよいから誰もやっていないことをやること自体に意義があり、手間暇かかるが、自慢となり、歓びとなる。迷ったときは、前向きに進むのが正解だと信じ、これからも1000句を目指して、一歩々々歩いてゆくことにする。そのうち、なにかが見えてくるに違いないことを信じて・・・。


東京 2005年8月15日
 二年前の盆休みに句集のコメントを記載してもう2年経つ。今日、300句を超えたため、一集を50句単位にしているので、第七集を追加した。最近は、毎日100人前後のゲストがあり、俳句も手を抜けなくなった。五年間で5万件を超え、リピーターも増えている。フォトギャラリーに説明文を加え、BGMを設定し、そして俳句を挿入するという作業は、大変だが、馴れてしまうと結構楽しいものだ。

 下手な俳句も、たまには自己満足できるものが増えてきた。何より、英訳を施すことで、俳句の意味がより鮮明になり、深みを増してくるように思う。英訳も最近はコツを覚え、どう訳して良いか分からないようなことはなくなった。英訳できないような句はあり得ないし、あったとすればそれは悪首なのだろう。俳句に写真と英訳をつけ、解説する。このような構成の句集は私以外には存在しない。

 「海の風景」というタイトルも、陸に上がった河童となってしまった今では、ふさわしくないかも知れないが、せめて、カバー写真だけでも海の風景を入れて続けていきたいと思う。どこまで続くか分からないが、「継続は力なり」を信じて、やれるところまでやってみたい。

東京 2003年8月16日
 8月の盆休みで日本列島は里帰りのシーズンだ。今週は会社全体が夏休みなので、私も休みを取っているが、東京は雨続きで、外出ができない。一日中、家の中で過ごしている。お陰で、未編集の作品を数本、一気に仕上げてアップすることができた。また、これまでの作品に手を加えたりして、時間を有効に使っている。

 
俳句「海の風景」は、50句を束ねてアップしており、既に第4集に入っている。今年の4月に神戸から東京に転勤となり、海の句が殆どなくなってしまった。タイトルを修正しようかとも考えたが、既に2年を超えるシリーズとして定着しており、タイトルは従来のままとすることにした。

 世界の旅の写真館としてWa☆Daフォトギャラリーはこれからも歩み続けてゆくが、それとともに、この俳句も続けてゆきたい。そして、英訳と写真とをあわせて添えてゆく。このような試みは私しかやっていないと思う。かなり骨の折れる作業であるが、やる価値はあると思う。

神戸 2002年8月11日
 暑い夏が続いている。昨日は夏休みの帰省ラッシュのピークを迎えた。おかげさまで、Wa☆Daフォトギャラリーも無事に二周年を迎え、毎月一万件のアクセスをいただけるサイトに成長した。一周年記念として始めた俳句「海の風景」も未だに続いており、継続は力なりで遂に百句を超えてしまった。読み返してみると、駄作もあるが、なかなか良い句だと自慢したくなるような作品もある。

 徒然日記を書くごとに折々の俳句を挿入し、それを俳句「海の風景」に写し、英訳と解説文を加えてきた。この作業もかなり大変だが、何とか続けてきた。俳句は本来のフォトギャラリーとは必然性のないコンテンツではある。しかし、映像と17文字の言葉の違いこそあれ、情景を写し取ることには違いがない。むしろ情報過多の映像より、シンプルな文字の方が味わい深いこともあるのではないだろうか。私の拙句をそれなりに楽しみにして下さる読者もおられるようで、励ましのmailをいただくと、止められなくなる。写真の方も風景写真から始まって祭りや花の写真まで手を広げてビッグサイトになってしまったが、今更引き返すこともできない。これからも情熱と体力の続く限り、現在のコンセプトで進んでいきたい。

神戸 2001年7月29日 平成13年4月1日、広島から神戸に赴任。俳句は、相変わらず月に一回うつみ会に7句を投句し、高橋三洋子先生の添削と講評を受けている。いわば通信教育という形で続いており、先生のご厚意に感謝申し上げる。

 昨年7月から個人のホームページ・Wa☆Daフォトギャラリーを始めて1年余りになる。アクセス13,000件を突破し、すっかり軌道に乗ってきた。そこで一周年記念として、これまで徒然日記の冒頭に折々の俳句を載せてきたので、それを集めて、俳句「海の風景」というタイトルにまとめ、それに写真とコメントを付けてみた。また俳句の英訳もつけた。英訳にも意訳が入り、イメージの広がりが期待できる。

 まだまだ素人の域を出ていないが、当ホームページのビジターに海の素晴らしさや季節感などを画像と同様に感じとっていただければ有り難い。わずか17文字でイメージ(画像)を表現できれば幸いだ。これまで海で仕事をしてきた経験を生かし、海の風景を一幅の絵のように切り取ってみたい。これが作者のテーマでありコンセプトである。ただ、海の句に限定したわけではないので、折々の身近な風景を適宜織り込んでいきたい。

パノラマの神戸の港春霞

風光る館の空に風見鶏

Panoramic view
of Port Kobe
in the spring haze.

A weathercock on the roof
under sky
with a glistening wind.

広島 2000年4月23日 平成12年4月1日、函館から広島に赴任した。友人から勧められ、俳句同好会「うつみ」に入会、月一の例会に出ることになった。仕事の合間を見て俳句づくりに専念する毎日が始まった。稚内在任中から俳句を創作していたので、ある程度の自信があるが、句会に出席し、先生に講評を仰いだり、添削を受けるのは初めてである。少し緊張するが、楽しみながら自然流で俳句をつくりたい。先生の俳号は高橋三洋子で、正岡子規の弟子である高浜虚子の流れを汲むという。種田山頭火のような自由律の俳句ではなく、古典派ともいうべき俳句で、キチッとした季語が必要であり、自然で平易なものでなければならないと教わった。

白藤や水面に鯉の浮き沈み

草鞋揺る仁王門より遍路発つ

Carp sink and float
to the surface
under white wisteria.

Pilgrims started
 thorough Deva gate
on which straw sandals swinging. 

稚内 1994年3月26日 平成6年は吹雪で明けた。日本最北端の地・稚内市に来て一年足らずであるが、現在貴重な冬の体験を積みつつある。窓の木枯らしを聞きながらテレビで正岡子規のドキュメント・ドラマを見ていたら、ふと、この稚内市を中心とした宗谷の出来事を点描してみたら面白いのではないかと思った。今まで俳句などというのは創ったことがないが、挑戦するのも楽しいのではないか。稚拙ではあるが、北国の思い出をファイルする趣旨で詠んでみたところ、アッという間に百首を越えてしまった。思ったより簡単である。粗製濫造気味ではあるがこれからも続けたい。俳号は日本最北端の地にちなんで北舟とした。

正月や昆布拾いの海人ふたり

流氷の接岸告げる尾白鷲

Two fishermen
pick up kelp
on New Year's Day.

A white-tail eagle signals
the arrival of drift ice
to the coast.

日本伝統俳句会 現代俳句協会 インターネット俳句会 俳句センター 帆船 俳句庵 see haiku here

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